研究概要 |
本研究は、胃がんの一次予防の推進に資するために、胃がん発症と関連が認められているHelicobacter pylori(以下、ピロリ)感染と萎縮性胃炎に着眼し、一般住民における胃がん発症リスク(ピロリ感染と萎縮性胃炎)と生活習慣(特に明らかにされていない食習慣、また喫煙、飲酒、運動など)との関連について縦断的かつ横断的に明らかにする。 本調査は、岩木健康増進プロジェクトのプロジェクト健診と連携し実施した。岩木健康増進プロジェクトの初年度(平成17年度)は1,067名に以下のものを調査測定した。 ①ピロリ菌感染の有無(血清抗体、便抗原)、②血清ペプシノゲンI、II(これにより萎縮性胃炎の程度を評価)、③生活習慣に対するアンケート調査(睡眠・休養、喫煙、飲酒、運動習慣、食習慣など)、④その他の調査(肥満度、服薬状況、既往歴、家族歴、便通、血液検査など)である。 この1,067名のうち、上記の調査測定項目の②、③、④を平成23・24年に測定した。この調査により、萎縮性胃炎の程度の変化と生活習慣及び生活習慣の変化との関係を検討する。平成23・24年度受診者のうち該当者は、初年度1,067名のうち約2.5割程であった。ひきつづき、平成25年度も、初年度の1,067名のうち、平成23・24年度に受診しなかった者に対して②、③、④の調査を実施し、胃がん発症リスク因子と考えられるピロリ感染と萎縮性胃炎と生活習慣との関連について検討していく。
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