研究課題/領域番号 |
23792688
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
時田 礼子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (70554608)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 精神障害者 / 保健師 / 自立支援法 / 予防 |
研究概要 |
本研究の目的は、障害者自立支援法(以下、自立支援法)施行後の行政の保健部門に所属している保健師による精神保健活動における個別支援の実態を明らかにし、今後の在り方への示唆を導出することである。精神保健福祉活動において、平成18年4月に自立支援法が施行され、福祉部門が担う業務が多くなった。しかし福祉部門では申請や相談があって初めて対象者に関わるという措置的な対応が主となり、予防的に対応することが難しい。予防的対応は保健師活動の特徴であり、その予防的対応が生かされるのは保健部門であると考える。したがって、保健部門の保健師による精神保健活動における個別支援の実施に際しては、「保健部門の保健師が担う必要がある」という判断が存在すると考える。つまり、措置的な対応を主とした個別支援ではなく、保健部門の保健師が実施する個別支援は、予防的対応を念頭に置いた予防的意義の高い個別支援であると考えられる。本研究は、2つの調査で構成される。本年度は初年度として調査1に取り組んだ。調査1では、自立支援法施行後も、精神保健活動における個別支援を行っている保健部門の保健師を対象とし、自立支援法施行後の保健部門の保健師による精神保健活動における個別支援の実態を明らかにすることを目的としている。方法として、国内外の文献および先行研究の知見の整理を行うとともに、本研究に関連する自らの先行研究を学術集会にて発表することで、本研究に関連する意見交換や情報収集を行った。それらより、自立支援法施行前と施行後の精神保健活動における個別支援の内容等について整理を行った。次年度は、調査1を実施しながら、随時調査2と全体分析を進めていく。調査2では、調査1で明らかになった実態が、対象のニーズに即しているかという観点からの検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目的としては、平成23年度中に、調査1のインタビュー調査まで終了する予定であった。しかし調査自治体の選定がなかなか進まず、インタビュー調査に至らず、文献検討と自らの先行研究の学術集会での発表にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画・方法は変更しない。次年度は調査1を引き続き実施し、随時調査2と全体分析を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、インタビュー調査に伴う旅費の支出が予定よりも下回ったため、次年度使用額が生じた。次年度は調査1及び調査2のインタビュー調査のための旅費の支出が、増加することが見込まれる。調査に伴い、データ整理補助やテープ起こし等に関わる費用の増加が見込まれる。よって、次年度使用額も含め、予定通りの遂行が見込まれる。
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