本研究の目的は、障害者自立支援法(以下、自立支援法)施行後の行政の保健部門に所属している保健師による精神保健活動における個別支援の実態を明らかにし、今後のあり方への示唆を導出することである。市町村の保健部門に所属している保健師3名に半構成的面接を実施し、個別支援の内容を聴取し、予防的意義の観点から質的帰納的に検討した。全体分析の結果、「電話や面接ではわからない生活実態を把握し、それについて本人や家族と自分の共通認識を取るために、家庭訪問という手段を用いる」など11の予防的意義の高い個別支援の実態が明らかとなった。保健師は、行政保健師としての強みを活かして、支援を行うという特徴が考えられた。
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