• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

在宅重症心身障害児を育てる家族の育児への意欲を支える看護支援プログラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792695
研究機関新潟大学

研究代表者

田中 美央  新潟大学, 医歯学系, 助教 (00405052)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード重症心身障害児 / 母親 / 文献レビュー / コミュニケーション / エンパワーメント / 連携
研究概要

本年は母親の喜びや意欲に関する側面や、育児の肯定的側面を支援するエンパワーメントの側面について文献レビューを進めている。家族のエンパワーメントには「家庭」「サービスシステム」「地域社会」の構成要素が含まれるが、我が国の重症心身障害児の育児においては子どもの反応やサインの読み取りにくさがあることにより、他のしょうがい児よりも母子分離が難しく「サービスシステム」との連携が取りにくい現状、またそのことにより母親のストレス軽減やサポート希求が充足しにくい現状が先行研究から見出された。そこで前段階として重症心身障害児を育てる子どもや家族と看護職者の連携・コミュニケーションに関する海外研究の文献レビューを行った。CINAHLWeb版とMEDLINEWeb版を用い(1989~2011年)、検索の過程で見出された有用な文献も加え、国内で入手可能な英文献17文献を分析対象とした。分析の視点として、研究対象、研究方法やその成果などについて内容分析を行った。研究成果は、「児や家族と看護職者がコンタクトをとる方法」、「児と家族のニ―ド・情報の把握」、「看護職者のケアに対する家族の心理」、「看護職-家族との相互作用の実態」、「看護職などの専門職-家族関係促進のためのプログラム開発の検討」、「コミュニケーション促進に対する看護職者の役割・認識」の6つのテーマに分類された。家族と専門家間の良好なコミュニケーションにより肯定的な関係性を築くことにより、パートナーシップが形成されること、専門家からの支援は家族のQOLにとって最も重要な要素であることが見出された。平成23年度の結果に基づきエンパワーメントに関する文献レビューを行いデータの分析をすすめるとともに、育児の喜びや意欲を見出すための体験が家族にもたらす影響、特に地域サービスや生活ストレス、QOL、ソーシャルサポートの獲得などとの関連を検証していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小児在宅療養領域での家族のエンパワーメントに着目した研究では、海外において発達障害児や若年性糖尿病の児を育てる家族を対象に研究が行われ測定ツールが開発されている。しかし、児の特性やソーシャルサポート及びサービス利用状況はわが国と相違があるため、その点を考慮していくことが課題である。

今後の研究の推進方策

今年度は、これまで行ってきた育児の肯定的側面を高める要素について、先行研究からの仮説をより高めることを目指し調査対象を増やすこと、及び量的に調査することを検討している。平成24年8月末迄 育児の肯定的側面を支援するエンパワーメントの側面と地域サービスとの関連モデル図を作成平成25年2月末まで モデル図の精錬及び量的調査票作成の検討上記予定を念頭に入れ、スーパーバイザー3名との調整を行っていく。

次年度の研究費の使用計画

今年度は在宅重症心身障害児の家族へのインタビュー及び全国の在宅重症心身障害児施設に調査票の配布(1000 名程度)を検討している。いづれの場合も対象者リクルートは、全国の重症心身障害児施設に依頼し(→謝金、旅費)、研究対象者には、謝品をお渡しする(→1000 名×150 円)。アンケートは郵送法で回収を行い(→1000 名×90 円)、質的及び量的データ内容は業者に委託しデータ入力(→1000千円)を行う。分析にはSPSS15.0,J forWindowsXPを使用し、調査・分析の信頼性・妥当性の確保のため適時、専門家より面接、メールによりスーパーバイズを受ける予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 海外における重度しょうがい児の家族と看護職者とのコミュニケーションに関する文献研究2012

    • 著者名/発表者名
      田中美央
    • 学会等名
      日本小児看護学会第22回学術集会
    • 発表場所
      マリオス(岩手県)
    • 年月日
      2012年7月21・22日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi