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2011 年度 実施状況報告書

在宅糖尿病患者に対する遠隔医療の応用

研究課題

研究課題/領域番号 23792704
研究機関京都大学

研究代表者

久保田 正和  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80452267)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード在宅支援
研究概要

在宅療養中の糖尿病患者は、良好な血糖コントロールを維持するために、食事や服薬を自己管理し、1ヶ月~2ヶ月に1回の割合で薬の処方や栄養指導を受けるため、病院外来を受診する。このことから、実質、生活習慣の改善や維持は患者自身の自己管理次第で大きく左右され、また、医療者側からも患者によっては1ヶ月~2ヶ月に1回の外来ではフォローしきれないという意見が多数聞かれるのが現状である。 我々は在宅療養中の糖尿病患者を対象に、看護師によるテレビ電話を用いた定期的な交信が、日常生活における患者・家族の食事や運動、服薬等の自己管理をサポートし、血糖コントロールにどのような影響を与えるかを検討している。介入群は京大病院内分泌代謝内科において、外来通院中である糖尿病患者10名を選定した。テレビ電話にて相談に応じるのは看護師で、京大病院と研究対象者の自宅を双方向性に結んだ。交信は週1回、30分程度の相談で、12週間継続した。内容は、(1)1週間分の体重、服薬状況、運動実施状況等を記入したセルフチェック表を対象者とともに確認し、助言する、(2)カメラで撮影した実際の食事をテレビ電話モニターで確認し、栄養指導を行う、(3)健康状態の観察や助言、日常生活での相談を行う、であった。介入3ヶ月後、10名の平均HbA1c値は、介入前に比べ有意に減少した(p<0.005)。また、介入3か月後の体重も介入前に比べ有意に減少した(p<0.0005)。さらに介入終了後外来通院のみの生活に戻ったところ、介入終了3か月後の平均HbA1c 値は介入直後に比べ有意に増加した(p<0.05)。同様に介入終了3か月後の体重も介入直後に比べ有意に増加した(p<0.005)。 現在は、6か月間外来通院のみを行う対照群の血液データや体重について、解析を行っている途中であり、今後は介入群と比較することによって、介入の有効性について考察を加える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度中に行う予定であった介入群に対する介入と、その後の経過観察については当初の予定通り進展している。また、対照群についてもデータの解析は順調に進んでいることから、全体としておおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

可能であれば今後もn数を増やすため、患者のエントリー、介入およびデータ収集と解析を継続する。24年度は本研究のまとめとして、論文、学会発表を積極的に行う予定である。これまでの予備調査の結果から、患者及び家族の満足度は大きく、医療サイドも患者の状態を把握しやすく、また、外来通院の負担を減らして医療費削減が可能になると予想される。よって、この研究をさらに発展させて大規模に行い、統計的に優位性を出すことの意義は極めて大きいと考えられる。

次年度の研究費の使用計画

今後さらに対象者を増やす可能性もあるため、謝金や通信にかかる物品費が必要になる。また、24年度は本研究のまとめとして、論文、学会発表を積極的に行う予定であり、旅費、投稿費用、出版にかかる費用などが大きく増えるものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] テレビ電話を用いた定期的な介入が糖尿病患者の血糖コントロールに与える影響2011

    • 著者名/発表者名
      久保田正和、細田公則、江口恭子、古家彩名、西嶋ゆき、中尾一和、木下彩栄
    • 雑誌名

      癌と化学療法

      巻: 38 ページ: 97-99

  • [学会発表] テレビ電話を用いた定期的な介入が糖尿病患者の血糖コントロールに与える影響2011

    • 著者名/発表者名
      久保田正和、細田公則、江口恭子、古家彩名、西嶋ゆき、中尾一和、木下彩栄
    • 学会等名
      第22回日本在宅医療学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011年6月26日

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公開日: 2013-07-10  

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