研究課題/領域番号 |
23792712
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永江 誠治 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50452842)
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キーワード | アドヒアランス / 心理教育プログラム / 子ども / 児童精神科 / ADHD |
研究概要 |
「アドヒアランスプログラム」という全5回の心理教育プログラムを作成し、メチルフェニデートやアトモキセチンの処方を受けている小学4年生~小学6年生の男女5名を対象に予備調査を実施した。毎回のプログラム終了後、研究者間でプログラムの内容について検討し、随時改善するようにした。予備調査による結果として以下のことが挙げられた。 ①プログラム前後の子どもの変化として、薬の効果に対する肯定的な理解は向上し、薬に対するスティグマや服薬抵抗は減少していた。しかし、家族機能の低下やプログラムに対する満足度評価が低いものもいた。 ②プログラム前後の母親の変化として、薬に対する受け止め方や薬の効果に対する肯定的理解は向上し、薬に対するスティグマや服薬抵抗などは減少していた。副作用に対する否定的な思いは上昇しているものの、全体的に子どもよりも肯定的な反応が大きかった。 ③親子間の認識にずれがあり、子どものスティグマを親は低く認識しがちであった。また、薬に対する抵抗感は子どもよりも親の方が大きかった。 今回の予備調査の結果については、21stWorldCongressSocialPsychiatryにて学会発表の採択を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者が集まらない。病気のことを伏せて服薬させているようなケースが多く、そのような場合、本プログラムへの参加によって病名告知をしなければならないのではないかと親が不安がることが多い。また、平日は学校、土日は部活に参加しているなど、プログラムに参加するための日程調整ができないケースも多い。プログラム参加に関して親が安心できるようなインフォメーションの工夫が必要。
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今後の研究の推進方策 |
現在、第2期グループの参加者を募集しているところである。参加者募集のチラシ作製、別施設への研究協力依頼などを予定している。参加者の様子や参加者の声などを示しつつ、今後の参加者を募っていきたい。予備調査が終わり次第、本調査へと移行していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
プログラム実施にかかる交通費、プログラムの資料印刷、研究協力謝金などを予定している。
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