本研究は自死遺族を対象としたつどいを運営するために必要な要素を明らかにすることを目的としており、ここで得られた結果を実際の自死遺族支援活動に反映させ、効果的な自死遺族ケアを実践することを研究の意義としている。 平成25年度は、上越地域における自死遺族支援活動を継続しながら、スタッフ間で運営面での課題を検討していった。インタビューの実施においては対象の選定に時間がかかったが、これまでに研究者らが築いてきたネットワークやフィールドを活用しながら、他県の自死遺族支援に携わっているスタッフを対象にインタビューを実施した。インタビュー対象者は5施設の団体のスタッフ計12名であった。 インタビューの結果、自死遺族のつどいを運営するために必要な要素として、行政との連携、運営するつどいの信頼性、予算の確保、開催する場所の確保、NPOの獲得、スタッフの確保、スタッフの育成、スタッフ間の信頼性、スタッフのモチベーションの維持、スタッフの気分転換、スタッフの負担の軽減、参加者ニーズの存在、参加者の変化、会の雰囲気、つどいの場での話しやすさ、スタッフ構成のバランス、研修会の開催、他団体とのネットワーク、自死遺族支援の啓発普及活動、広報との連携や情報交換の20の要素が抽出された。 自死遺族のつどいを運営するために必要な要素として、まず行政との連携があげられ、予算の確保や信頼性の確保、開催する場所の確保につながっていた。スタッフの確保には、養成講座などの研修会を開催し、参加者へ声をかけていくことが有効であると考えられた。参加者ニーズの存在については、参加のニーズよりも、参加の有無にかかわらず場としてのあることのニーズの意味合いが強かった。他団体とのネットワークは、行政やいのちの電話、他の自死遺族のつどい等と顔合わせやつながりを維持することであり、他の活動を知ることや情報交換につながっていた。
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