研究課題/領域番号 |
23792723
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
片平 伸子 新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (10381675)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 小規模多機能型居宅介護 / 看護 |
研究概要 |
本研究の目的は、小規模多機能型居宅介護利用者の医療・看護ニーズ、看護提供の効果および課題、看護師の機能等を明らかにし、施設や利用者の特色に合わせた効果的な看護提供を促進する方策を考察することである。 平成23年度は、文献検討ならびに小規模多機能型居宅介護施設の管理者および看護職を対象とした利用者の健康管理、医療処置の有無や内容、緊急時の対応、看護職の勤務内容、看護職がいることの効果・課題等についてのヒアリングを実施した。 ヒアリングの結果、小規模多機能型居宅介護施設の利用者の中には胃瘻からの経管栄養や腎透析、インシュリン注射を行うものもあり、また、転倒、発熱、血尿、誤嚥などにより緊急の判断、対応が必要な場合があることが明らかになった。看護職は利用者の日常的な健康管理の中心を担い、日頃から利用者の健康や生活についてアセスメントを行い、変化のあった時にはその対応について判断し、必要な処置や連絡を管理者と連携して実施していることが推察された。また、看護職の機能としては医療に関する研修を実施したり、介護職員からの利用者の健康に関する相談への対応等を行って介護職員が行うケアの充実をはかったり、裏付ける働き、高齢者特有のはっきりしない症状で対応を迷う場合などに管理者を支援する働き、日常的なケアの中で利用者の健康状態悪化を予防する働きなどがあると考えられた。一方、看護職は1名配置のため、緊急時に不在の場合があることや看護職自身が相談できる医療職が他にいないことなどが課題としてあげられた。今後はこれらの結果をもとに広く小規模多機能型居宅介護における看護提供の実態調査を行うことが必要と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に文献検討およびヒアリングを行った。今後、2年目に質問紙法による実態調査、3年目に追跡調査を予定しており、これらの実施により研究目的は達成されると考える。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の結果を踏まえ、平成24年度は小規模多機能型居宅介護における看護の実態調査を実施する。この際、追跡調査への参加の可否を併せて調査し、平成25年度の研究への足掛かりとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は初年度の文献検討およびヒアリングの結果を踏まえて質問紙を作成し、全国の小規模多機能型居宅介護事業所1,557施設のうち、福祉医療機構の運営するWAMNETに登録されている全ての小規模多機能型居宅介護事業所から層化抽出した、約500施設を対象に実態調査を計画している。このため、質問紙および封筒の費用・印刷費、通信費、データ入力を中心に研究費を使用する。
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