研究課題/領域番号 |
23792723
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
片平 伸子 新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (10381675)
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キーワード | 小規模多機能型居宅介護 / 看護 |
研究概要 |
本研究の目的は、小規模多機能型居宅介護利用者の医療・看護ニーズ、看護提供の効果および課題、看護師の機能等を明らかにし、施設や利用者の特色に合わせた効果的な看護提供を促進する方策を考察することである。 平成24年度は、全国の小規模多機能型居宅介護施設から無作為抽出した1,000施設の管理者および看護師を対象として質問紙調査を実施した。 その結果、利用者の年代は80代が約5割、90歳以上が約2割であり、要介護度で見ると要介護2が25.1%、要介護3が21.9%等であった。定期的な通院や服薬管理を必要とする利用者のいる施設は約9割であった。日常的に行う医療処置としては皮膚処置や浣腸・摘便が多くターミナルケアの経験は35・9%の施設であった。 管理者からみた看護師の実際の活動としては「利用者の健康状態の把握」「利用者の状態変化時の対応」「受診の必要性についての判断」「介護職員への看護的視点による助言」「服薬管理」が約9割の回答であり、看護師に希望する活動内容としては「利用者の状態変化時の対応」「緊急時(事故・転倒など)の看護的判断・処置」「介護職員への看護的視点による助言」等が多かった。 看護師自身からみた看護師の活動内容としては「利用者の健康状態の把握」「利用者の状態変化時の対応」「受診の必要性についての判断」「介護職員への看護的視点による助言」「服薬管理」が約9割の回答であった。 本研究の結果から、小規模多機能型居宅介護施設では定期的な受診、服薬管理が必要な利用者が多く、医療処置やターミナルケアも実施されていることから、医療・看護ニーズが高いことが示され、看護の充実や医療機関との連携強化の方策を検討する必要があると考えられた。また、管理者の捉えた看護師の実際の活動および希望する活動と、看護師が捉えた自身の活動には一致する内容が多く、看護職配置の意義が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に文献検討およびヒアリングを行い、2年目に質問紙法による実態調査を行った。3年目には質問紙調査で明らかになった看護師の活動について、具体的な行為や判断内容について聞き取る面接調査を予定しており、これらの実施により研究目的は達成されると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、小規模多機能型居宅介護における看護師の活動の中でも、判断と行為に焦点をあててインタビュー調査を行う。この調査は、平成24年度の実態調査の参加者の中から2次調査(面接調査)への参加を表明した看護師に依頼し、実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、全国の小規模多機能型居宅介護施設に赴き、対象となる看護師に面接調査を行うため、施設への交通費、録音機材、謝品を中心に研究費を使用する。
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