研究課題/領域番号 |
23792724
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
池上 千賀子 (曽根 千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (40336623)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 認知症高齢者ケア / 倫理的ジレンマ |
研究概要 |
平成23年度の研究目的は,次の2点(1)認知症高齢者に特化した国内外の文献検討を進めること,また認知症高齢者の入院状況及び生活動向についての基礎資料の把握と整理すること,(2)文献検討をもとにインタビューガイドの作成後,インタビューのプレテストを行うことであった.国内の文献では,グループホーム,介護老人福祉施設,老人保健施設,病院において,認知症高齢者への対応の困難,ケア提供者の感情に関する報告が8件あった.病院の報告では,出典が日本看護協会の研究論文集が4件であることから,特に現場での認知症高齢者ケアの実情を把握することができた.しかしながら,疾患の治療を優先とする病院では,人的資源ならびに時間不足を理由に認知症ケアが行われていないことがわかった.海外の文献では,認知症高齢者へのPEG(胃瘻)造設,抑制,食物拒否,拒薬などの報告があった.いづれも認知症高齢者へのリスクマネージメントに関する内容であった.イギリスでは,病院での認知症ケアが劣悪であるため,政府主導による認知症ケアの改善に乗り出していることがわかった. 本研究の問題提起は,認知症高齢者をケアする看護師の倫理的ジレンマとしているが,これを明らかにしたときのアウトカムのわかりにくさがあることに気づいた.すなわち認知症ケアが行われなかった場合の弊害として,認知症高齢者に対してどのような不利益が生じるのかについて明確にしておくことが必要である.そのため,入院中の認知症高齢者の身体的・精神的な影響についてさらに文献検討が必要になった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検討は順調に進んでいるが,文献検討を進める中で本研究においての問題提起をさらに強化する必要が出てきた.そのため,認知症ケアがおろそかになった場合,認知症高齢者への影響について,さらに文献検討する必要が出てきたため.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,不足している文献検討を進め,質問紙調査のベースを作成する.そして,インタビュー調査(グループインタビュー)を行い質問紙の妥当性を確認後,プレテストを行う予定である.インタビュー調査とプレテストにおける対象者の準備は整っているため,文献をもとに質問紙の作成を計画的に行っていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費の使用計画は,変更なしで計画通り行っていく.
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