研究実績の概要 |
研究の目的:平成26年度に作成した認知症看護ケアチェックリスト(37項目)の実用化へ向けての検討を行った. 研究方法:平成27年度に行った調査データをもとに,認知症看護ケアチェックリスト(37項目)を2側面(実施頻度,大切さ)をそれぞれ4リッカートスケールで回答を得たもの探索的因子分析(主因子法,promax)を行い,相関を確認した. 結果:認知症看護ケアの「実施頻度」のスコアについて,探索的因子分析を行った.因子分析は,固有値1.0以上で,因子負荷量0.4以上,2重負荷のものを除外して分析を繰り返した.その結果,構成因子は28項目6因子構造(KMO=0.95,累積寄与率51.7%)が得られ,第1因子は【気がかりや関心をきっかけとした患者の理解】,第2因子は【患者の自発的行動の尊重と異常の早期発見】,第3因子は【患者の安全についての確認】,第4因子は【生活リズムを整える関わり】,第5因子は【認知症症状に配慮した患者と家族への接し方】,第6因子は【日常生活の自立に向けた多職種との連携】と命名した.次に,認知症看護ケアの「大切さ」についても探索的因子分析を行った.その結果,構成因子は,29項目5因子構造(KMO=0.95,累積寄与率51.8%)が得られ,第1因子【認知症症状に配慮した患者と家族への接し方】,第2因子【患者の自発的な行動の尊重と異常の早期発見】,第3因子【気がかりや関心をきっかけとした患者の理解】,第4因子【患者の安全についての確認】,第5因子【日常生活の自立に向けた多職種との連携】と命名した.「実施頻度」と「大切さ」の構成概念妥当性は,第1段階の質問項目作成に使用した認知症ケアの「12の枠組み」との検討による確認された.さらに,認知症看護ケアチェックリストの「実施頻度」と「大切さ」を構成する項目の相関は0.1~0.5を示し,やや弱い~中等度の相関関係があることが確認された.
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