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2011 年度 実施状況報告書

介護保険施設におけるせん妄発症予防に関するケアプログラムの実証的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792725
研究機関長野県看護大学

研究代表者

松澤 有夏  長野県看護大学, 看護学部, 助教 (30436894)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードせん妄 / 発症予防 / 介護保険施設 / 看護学
研究概要

1. せん妄発症予防ケアプログラムの改善点修正 平成22年度に作成したケアプログラムの改善点を挙げて,修正を行った.具体的にはB施設の療養棟会や勉強会を利用して,ケアプログラムを提示し,ケア実践に取り入れてもらうことを依頼した.研究者は,ケアの現場を参加観察したり,ケア提供者と協議したり,ケア記録を参照したりすることによって,高齢者がせん妄を発症する可能性がある状況におけるケアをデータ化した.さらに,プログラムに沿ったケアを受けた対象高齢者の変化を観察した.そしてせん妄発症が予防できたケアをプログラムへ追加した.老年看護学の研究者やプログラム実施に関わったB施設の職員から意見・助言を受け,プログラムをさらに修正し,完成させた.2.ケアプログラムを実施する介護保険施設の選定 B施設と同市内にあり,同規模の介護老人保健施設の看護管理者に研究協力を依頼し,了承を得た.3.文献検討 せん妄の発症予防および悪化防止に関して,MEDLINE,CINAHL,PsycINFO,医学中央雑誌をデータベースとして,キーワードは,せん妄,delirium,preventionを用い,選定した53文献を検討した.その結果,せん妄発症予防の看護の課題は,せん妄発症要因の迅速な把握と除去,睡眠覚醒リズムの調整および精神的な安定を確保するケアの実践であること,悪化防止のための看護の課題は,発症要因の把握と除去,安心感の提供であることが導かれた.介護保険施設においてこれらの課題を達成するために,看護師に向けた教育的介入と多職種の視点を生かしたチームアプローチが必要であることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ケアプログラムを改善し,完成できたことは平成23年度の成果である. 年度当初の計画では,ケアプログラムを実施する介護保険施設を選定し,ケアプログラム実施に向けての準備を平成23年度中に実施する予定であった.しかし,ケアプログラムの修正に予想以上に時間がかかったこと,文献検討を実施したことにより,対象施設の選定と実施に向けた準備に遅れが生じている.3つの施設でケアプログラムを実施する予定であるが,1施設から介入実施の了承が得られている.

今後の研究の推進方策

今後の方向性は,以下の3点である.1.施設の選定,研究協力依頼の交渉を行い,施設職員への教育の機会を設ける.2.対象者の選定と高齢者・家族への説明を行い,ケアプログラムを実施する.3.認知・身体機能,睡眠覚醒リズム,死亡率,入院率の追跡を調査する.

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は,当初の交付決定額内で,施設選定や協力依頼のために,施設への旅費,その都度準備にかかる費用を計上する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 施設入所高齢者に対するせん妄のアセスメント視点と発症予防および悪化防止の対応2011

    • 著者名/発表者名
      松澤有夏, 渡辺みどり, 千葉真弓
    • 雑誌名

      日本看護福祉学会誌

      巻: 16(2) ページ: 127-139

    • 査読あり
  • [学会発表] 生活リズム調整のための施設入所者の睡眠覚醒パターンの把握2011

    • 著者名/発表者名
      松澤有夏, 渡辺みどり
    • 学会等名
      第24回日本看護福祉学会全国学術大会
    • 発表場所
      長野県駒ヶ根市
    • 年月日
      2011.7.31

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公開日: 2013-07-10  

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