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2012 年度 実施状況報告書

介護保険施設におけるせん妄発症予防に関するケアプログラムの実証的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792725
研究機関長野県看護大学

研究代表者

松澤 有夏  長野県看護大学, 看護学部, 助教 (30436894)

キーワード高齢者 / せん妄 / 重症化予防ケア / 介護保険施設
研究概要

H23年度に作成した「せん妄重症化予防ケアプログラム」の修正,実施準備およびC施設において,ケアプログラムの実施をおこなった。
1.施設職員への教育:C施設において,施設職員への研修をおこなった.内容は,せん妄の症状やケアプログラムの詳細等であった.できる限りケアプログラムに関わる職員(看護師だけでなく,介護福祉士や理学療法士,作業療法士,生活支援相談員等)も参加できるように,研修は計5回実施した.
2.対象者の選出:対象者の選定基準を用いて,施設入所高齢者のせん妄を発症している者を,まず2名選出した.高齢者の特徴を理解するために,研究者は入所高齢者の日常生活援助に一定期間関わった上で判定した.選定基準に当てはまるか否かは,日常的に高齢者のケアに携わっている看護師や介護福祉士に意見を求めた.
3.高齢者と家族への説明: 2名の対象候補者の高齢者と家族に,プログラムの内容と考えられる影響,定期的に認知機能等の調査を行うこと,睡眠覚醒時間の測定のために測定具(アクチグラフ)を装着すること,退所後の様子について相談員に確認することを説明し,研究協力への同意を得た.
4.ケアプログラムの実施:高齢者と家族から同意の得られた対象者2名に対し,「せん妄重症化予防ケアプログラ」を実施を開始した.対象者の背景や身体機能を考慮し,ケアプログラムの枠組みに沿って,詳細なケア内容を施設職員と検討し,実施した.詳細なケア内容はケアプランに反映させた.ケアプログラム開始前に,対象者の認知機能,日常生活自立度等の測定を行った.年度末にケアプログラムの実施を開始したため,年度にまたがって介入の実施となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1.当初の研究目的は,せん妄発症予防に向けたケアプログラムの検討であったが,施設に入所する高齢者の環境的因子や身体的因子により,入所後にせん妄を発症する例が数多く見受けられる.施設職員と協議した結果,せん妄の重症化予防の方が現実的に必要であるため,ケアプログラムの内容を再検討したため,進捗状況が遅れている.
2.施設職員への教育としての研修会を計5回実施したが,施設側の行事や施設としての研修・学習会もあり,当初2カ月ので研修終了の予定が4カ月かかってしまった.
3.対象者を決定する上で,せん妄を発症した入所高齢者および家族への研究協力の依頼と同意に時間がかかってしまった.
4.ケアプログラムを開始するために,対象者に合わせた具体的なケアプランを作成していく際,対象者の生活背景や生活歴等を詳しく情報収集する必要があったため,プログラムの開始前に,予想以上の時間がかかってしまった.

今後の研究の推進方策

C施設における「せん妄重症化予防ケアプログラム」の実施を継続する.対象者数を増やしていく.
1.ケアプログラムの実施:ケアプログラムの実施を開始した入所高齢者に対し,せん妄重症化予防ケアプログラムを実施する.詳細なケア内容の変更が必要となった場合には施設職員と相談・検討する.ケアプログラムを実施していく上で,不都合な点は施設職員と相談し,修正する.
2.対象者の追跡:ケアプログラムを開始した対象者の認知機能,日常生活自立度等を3ヶ月毎,測定し,同時にケアプログラムの内容の適切性についても検討する.尚,施設退所が決定した際には,退所日前に同様の測定を行う.睡眠覚醒時間については6ヶ月毎,死亡率・入院率については,12ヶ月毎調査する.
3.特別養護老人ホームにおける研究実施の準備:C施設は,介護老人保健施設であるが,介護保険施設である特別養護老人ホームにおいても,教育及びケアプログラムの実施を行えるよう準備を進め,準備ができ次第,開始する.
(計画の変更)当初の目的は,せん妄発症予防に向けたケアプログラムの検討であったが,施設に入所する高齢者の環境的因子や身体的因子により,入所後にせん妄を発症する例が数多く見受けられる.施設職員と協議した結果,せん妄の重症化予防の方が現実的に必要であるため,ケアプログラムの内容を再検討し,「せん妄重症化予防ケアプログラムとした.

次年度の研究費の使用計画

収集データの分析を進め,研究成果を国際学会あるいは国内学会で発表する.

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公開日: 2014-07-24  

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