介護老人保健施設において,せん妄を発症した認知症高齢者に対し,「せん妄重症化予防ケアプログラム」の介入を実施して,その有効性を検討することを目的とした.データは介入前後の身体・認知感情的機能,対象の言動,援助内容,睡眠覚醒時間を収集した.分析は対象の行動変化と実施した援助について事例別に検討し,身体・認知感情的機能と睡眠時間について、介入前後で統計的に比較した. 対象の平均年齢は88.9歳であった.介入した8例中6例で行動面が改善し,そのうち5例に睡眠の改善が認められた.また全例で「抑うつ」の得点が改善したと共に,「抑うつ」と「いらいら感」の得点に有意な差が認められた.
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