研究課題/領域番号 |
23792726
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
平野 明美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (30438197)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 介護負担感 / 認知症 / 身体活動 |
研究概要 |
高齢の認知症介護者の介護負担感の重さと身体活動総量の低下、特に、スポーツ以外の身体活動に分類されている余暇活動(レジャー活動)が低下することを明らかにし、定期的な運動介入試験により介護負担感が軽減したと報告した。しかしながら、高齢の介護者で運動に制限があるような身体疾患や運動器疾患がある介護者は参加できなかった。そのため、レジャー活動を被介護者と共に自宅で行うことにより認知症介護者の健康の維持・向上と介護負担感を軽減できるのかを検証するために、アルツハイマー型認知症患者と65歳以上の高齢の介護者のペアを対象とした。生命倫理審査委員会で承認を受けた後、研究協力者全員に本研究の概要を説明し協力を得た。ランダムに介入群と対象群に分け、介入群にはレジャー活動プログラム(30分/3回/週)を被介護者と共同参加して行い、対照群は通常の介護のみを実施している。 本研究は、介入試験のベースライン、3カ月、6カ月の主評価・副評価指標の変化を観察中である。Voorrips et al(1991)の身体活動総量の下位尺度であるレジャー活動スコア分類の定義に従い、レジャー活動の身体活動量(1.5~2.5METsの範囲内)を実施している。介護者への介入では、主評価指標として介護負担感尺度(Zarit Burden Interview; ZBI)、副評価指標として、血液生化学データのカテコラミン3分画(アドレナリン・ノルアドレナリンなど)、コルチゾール、アルドステロン、レニンなどとした。これらの評価指標の介入試験前、介入後3ヶ月・6ヶ月の変化を観察し、レジャー活動が認知症介護者の介護負担感の軽減に効果がある方法なのかを検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルツハイマー型認知症患者と65歳以上の高齢の介護者のペアの登録を行い、介入群にはレジャー活動プログラム(30分/3回/週)を被介護者と共同参加して行い、対照群は通常の介護のみを実施しており、介入試験のベースライン、3カ月、6カ月の主評価・副評価指標の変化を観察中である。 対象者の追跡が順調にできており、介入群はVoorrips et al(1991)の身体活動総量の下位尺度であるレジャー活動スコア分類の定義に従い、レジャー活動の身体活動量(1.5~2.5METsの範囲内の活動)を継続して実施できている。 以上より、対象者を追跡・観察できており継続してできているため、研究の目的の達成度としてはおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、前年度の調査に引き続き認知症介護者の健康状態を明らかにし、介護負担感の開発を目的とした研究を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究対象者の同意が得られないことが多く、そのため調査項目である血液検査代金が残り次年度に繰越した。そのため、平成24年度科学研究費補助金の執行計画として、前年度の調査に引き続き対象者を追跡し介護者の主評価指標と副評価指標を観察するために、必要な消耗品等の物品・医療用品等の購入費、検査代金、人件費が必須である。さらに、蓄積したデータを解析し、介入群と対象群を比較、その効果を検証し評価する必要がある。そのためには、より精度の高い予測結果を得ることが求められるために統計解析ソフトを購入する予定である。本研究をより考察を深めるために多くの文献が必要であるため書籍代・文献複写代が必要である。学術論文として研究成果を発表するために英文翻訳学術校正への依頼や学会発表をして関連する研究について情報収集や意見交換をする必要があるため学会参加費・旅費が必要である。また、専門誌への論文投稿をする予定であるため論文掲載料、別刷代等を予定している。
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