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2012 年度 実施状況報告書

認知症患者と介護者のレジャー活動への共同参加による介護者の負担感の軽減方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792726
研究機関愛知県立大学

研究代表者

平野 明美  愛知県立大学, 看護学部, 助教 (30438197)

キーワード介護負担感 / 認知症 / 身体活動量
研究概要

認知症介護者は高血圧や虚血性心疾患を発症しやすく、免疫力の低下や死亡率が高い。その要因として介護に伴う精神的なストレスの関与が推察される。我々は、高齢の認知症介護者の介護負担感の重さと身体活動総量の低下、特に、スポーツ以外の身体活動に分類されている余暇活動(レジャー活動)が低下することを明らかにした。また、定期的な運動介入試験により介護負担感が軽減したと報告した。しかしながら、高齢の介護者で運動に制限があるような身体疾患や運動器疾患がある介護者は参加できなかった。そのため、レジャー活動を被介護者と共に自宅で行うことにより介護者の健康の維持・向上と介護負担感を軽減できるのかを検証した。
自宅で被介護者とともにプログラムに参加することにより、関係性をより良くできる可能性がある。さらに、介護者の生活習慣の改善や精神衛生の向上により、認知症の在宅介護継続に寄与し、結果的に被介護者が少しでも長くご自宅で生活できるようになるとすればその意義はさらに深いものと考える。
対象は、アルツハイマー型認知症患者と65歳以上の高齢の介護者である。
上記の介護者をランダムに介入群と対照群に分け、介入群にはレジャー活動プログラム(30分/3回/週)を被介護者と共同参加して行い、対照群は通常の介護のみを実施した。
介入群では、介入前と比較してZBIが有意に低下したが(p<0.05)、コントロールにおいては、ZBIに有意な差がみられなかった。認知症介護者の健康維持・増進において定期的な余暇活動が有効な方法の一つであることが示唆された。さらに、本研究の余暇活動の効果を正確に評価するために長期的な追跡調査をする必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アルツハイマー型認知症患者と65歳以上の高齢の介護者のペアの登録を行い、介入群にはレジャー活動プログラム(30分/3回/週)を被介護者と共同参加して行い、対照群は通常の介護のみを実施しており、介入試験のベースライン、3カ月、6カ月の主評価・副評価指標の変化を観察した。
対象者の追跡が順調に終了し、介入群はVoorrips et al(1991)の身体活動総量の下位尺度であるレジャー活動スコア分類の定義に従い、レジャー活動の身体活動量(1.5~2.5METsの範囲内の活動)を継続して実施できた。
介護者への介入では、主評価指標として介護負担感尺度(Zarit Burden Interview; ZBI)、副評価指標として、血液生化学データのカテコラミン3分画(アドレナリン・ノルアドレナリンなど)、コルチゾール、アルドステロン、レニンなどとした。これらの評価指標の介入試験前、介入後3ヶ月・6ヶ月の変化を観察し、レジャー活動が認知症介護者の介護負担感の軽減に効果がある方法なのかを検証することができた。
以上より、対象者を追跡・観察できデータの解析が部分的にできているため、おおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

本研究の結果から介護者の健康状態に関連する因子について科学的な根拠について検討し、学術論文を作成、発表、投稿する予定である。また、介護負担感を軽減するための研究を開発する予定である。

次年度の研究費の使用計画

本研究課題は補助事業期延長承認申請により平成25年度まで延長されており、平成25年度は、より詳細に蓄積したデータを解析し、介入群と対象群を比較、その効果を検証し評価する必要がある。そのため、①本研究をより考察を深めるために多くの文献が必要であるため書籍代・文献複写代、②学術論文として研究成果を発表するために英文翻訳学術校正への依頼や学会発表をして関連する研究について情報収集や意見交換をする必要があるため学会参加費・旅費、③専門誌への論文投稿をする予定であるため論文掲載料、別刷代等の使用を予定している。

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公開日: 2014-07-24  

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