研究課題/領域番号 |
23792727
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40582581)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 認知症看護 / 認知症高齢者 / 質評価指標 / 総合病院 |
研究概要 |
1.研究目的:総合病院で身体疾患を治療する認知症症状をもつ高齢者に対し、認知症ケアのプロセスに焦点を当てた看護ケアの質を具体的に評価するための指標を検討作成することであり、認知症看護のエキスパートの調査協力を得て質評価指標の作成を行った。2.研究実施計画に基づく研究成果:(1)質評価指標案の作成:国内外の文献と先行研究を参考に総合病院における認知症看護の質評価指標を作成した。指標案は、アセスメント、ケア提供(治療検査の安全・安楽、認知症症状コントロール、日常生活動作の向上、療養環境の調整)、チームアプローチ、介護者支援、基本的な支援の8次元全96項目作成した。(2)質評価指標項目の精選:認知症の看護について専門的実践能力を有する認知症看護認定看護師および老年看護専門看護師を対象に研究者が作成した質指標項目の重要性と実施可能性について質問紙調査(5段階で評価)を行った。回収数は16名(32%)であり、デルファイ法を用いて指標項目を検討した。指標項目の重要性はほぼすべての項目で高得点(中央値、平均値とも4以上)であったが、実施可能性では平均値・中央値が4以下の項目も多く存在したためそれらの項目を中心に項目修正について検討を行った。その後、この項目について、老年看護学研究者、認知症看護認定看護師、老年看護専門看護による検討会を実施し、さらに項目を精選し、全項目75項目の認知症看護の質評価指標が作成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究目的は、総合病院における認知症看護の質評価指標の検討、作成である。認知症看護のエキスパートにデルファイ法で質問紙調査を行った。その後、老年看護学領域の研究者と認知症認定看護師および老年専門看護師によるエキスパート会議により質評価指標の項目精選を行い、質評価指標を作成できたことよりおおむね順調に進展できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、作成した質評価指標を使用し、老年科の診療科を持つ総合病院もしくは、認知症認定看護師の所属する総合病院の病棟看護師に対して、質問紙調査を実施する。そのことにより、総合病院における認知症ケアの実践活動状況を明らかにするとともに、構造的評価指標との関連性も含めて、統計的に質評価指標の妥当性と信頼性を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.質問紙調査実施:150施設(約4500名)を対象に、質問紙調査を行う。そのため、印刷用紙、印刷代、封筒、郵送料金、データ入力委託費を使用する。また、エキスパート会議を行うため、参加者の謝礼を支払う。2.データ分析:データの安全管理のため、USBメモリ、バックアップソフトやシュレッダーを使用する。統計ソフトはデータ分析のため使用する。データの整理、資料整理を研究補助者に依頼する。尚、研究補助者が使用する、ノートパソコン(約15万円)と印刷機(約13万円)は、平成23年度分の設備備品費に計上されているが購入ができていないため、これらの購入を次年度に行うこととする。3.発表、論文作成:成果発表のため、プレゼンテーションソフトを使用し準備を行い、発表先への旅費を使用する。また、論文作成のため、文献コピーや関連書籍購入を行い、学会への投稿料を使用する。
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