研究課題/領域番号 |
23792727
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40582581)
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キーワード | 認知症看護 / 認知症高齢者 / 質評価指標 / 総合病院 |
研究概要 |
平成24年度は研究者作成の「総合病院における認知症看護の質評価指標の開発」を使用した全国調査を実施(1期調査)したが、調査回収率が低く2期調査として対象施設の追加と調査期間の延長を行った。 1期調査の段階での研究結果を示す。全国から無作為抽出した総合病院における28施設1099名の看護職に対して調査した。調査票の構成は、基本属性、「総合病院における認知症高齢者ケアの質評価指標(7つの下位概念70項目)」について5段階で評価を依頼した。結果は、年齢20~59歳(平均35.1年 SD9.61)、実務経験年数平均12.4年(SD9.41)、認知症看護経験年数平均6.6年(SD6.27)、職位はスタッフが多く384名(79%)であった。項目の選定および妥当性・信頼性はI-T相関から2項目を削除し因子分析を行い、因子の抽出は固有値1以上とし、因子負荷量が0.4未満を削除し、5因子(57項目)が抽出され累積寄与率56.9%であった。因子間相関は0.50~0.69であった。5因子の構造はI.認知症症状のアセスメント(19項目)II.生活環境・生活動作の安定(11項目)III.認知症症状のコントロール・事故予防(13項目)IV.治療検査に伴う安楽・安全(8項目)V.退院調整・連携(6項目)となった。質問紙で用いた下位概念の1.アセスメント、2.治療検査の安全・安楽、3.認知症症状のコントロール、4.日常生活動作の向上、5.療養環境の調整、6.チームアプローチ、7.介護者支援のうち、4・5の下位概念が因子II、6・7の下位概念が因子Vとして抽出された。2の下位概念のうち医療事故に関する項目と5の下位概念のうち転倒転落に関する項目のみ因子IIIに振り分けられた。信頼性については、項目全体のα係数は0.98であり、因子ごとではI:0.94、II:0.93、III:0.93、IV:0.89、V:0.90であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度に全国の看護職員に質問紙調査を行い、分析を終了させて結果を看護系学術集会で成果発表する予定であったが、回収できたデータ数は見込みを数を大きく下回った数であり、予定を変更して追加調査を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
全国調査が終了した時点より、調査結果の分析を実施することにより、総合病院における認知症ケアの実践活動状況を明らかにするとともに、統計的に質表紙指標の妥当性と信頼性を検討する。また、結果をまとめたものを看護系学術集会で成果発表し、論文として投稿する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題は補助事業期間延長承認申請により平成25年度まで延長されており、平成25年度は下記の研究費使用を計画している。 1.データ分析:データの安全管理のためUSBメモリを使用し、データの資料整理を研究補助者に依頼する。 2.成果発表、報告書および論文作成:成果発表のため、発表先への旅費を使用する。調査報告書を作成するため、印刷料を使用する。また、論文作成のため、文献コピーや関連書籍購入を行い、英文翻訳や学会への投稿料を使用する。
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