本研究では、若年母親グループにおいて家族計画を含めた,ライフプランを構築する取り組みを実施する.そのことにより,若年母親の望まない再妊娠を予防し,母親達が長期的な視点でライフプランを構築するための一助とする. 2009~2015年度の実施回数は10回、参加者は延べ40名であった。2015・2016年度は、ライフプラン構築支援と合わせて、若年母親へのグループ支援を行っているスタッフ(保健師・助産師・心理職)7名に対してインタビュー調査を実施し、ライフプランに関する若年母親の実態を把握し、これまでの支援内容の振り返りを行った。インタビュー調査の結果から、若年母親の特徴として【素直である】、【固定観念がない】といった内容が挙げられた。また【母親役割・認識の個人差】や【夫婦間の話し合いが十分でない】等、若年母親が家族を形成していく上での困難さも示された。妊娠に関する知識と認識については、排卵や月経など【妊娠に関する知識が不十分である】こと、また《妊娠を考慮しない》、《避妊をしない》といった、妊娠に関する認識を十分持っていないことが示唆された。こうした状況にある若年母親に対する啓発媒体に関する意見として、【視覚的に訴えるものが良い】、【簡潔にまとめる】等のカテゴリーが抽出された。 インタビュー結果をもとに、若年母親に対するライフプラン構築支援のためのパンフレットを作成し、作成したパンフレットを用いてライフプラン構築プログラムを実施した。対象者は「子どもの誕生月を決めよう」と名付けた、出産予定日と最終月経の換算表に興味を示していた。実施時の対象者の反応やスタッフの意見をもとに、不妊症に関する内容、食生活・生活リズムに関する内容を追記し、パンフレットを完成させた。作成したパンフレットは、今後も若年母親グループでのライフプラン構築支援の際に活用していきたいと考えている。
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