本研究の目的は、行政保健師の健康増進計画推進活動モデルを開発することである。 平成23年度は、モデル試案作成に向け、保健師の健康増進計画推進活動に関する文献調査と行政保健師による健康増進計画推進活動のインタビュー調査を行った。 平成23年度の2調査をもとに、平成24年度に行政保健師の健康増進計画推進モデル試案を作成した。このモデルには、6つの活動プロセスが構造的に示されている。試案モデルを精錬することを目的に、2市を対象に、健康増進計画推進に携わった経験のある行政保健師に対し、インタビュー調査を実施した。その結果、新たに4つの視点を加え、モデルを修正した。 平成25年度は、作成したモデルの検証を目的に、これまでの健康増進計画推進活動を評価し、新たな健康増進計画を立案しようとしている1町(A町)を対象に、アクションリサーチを行った。10か月の間、計8回、健康増進計画に関連した活動に参加し、新たな健康増進計画を策定する過程のコンサルテーションをモデルをもとに行いながら、健康増進計画推進活動の進捗状況および保健師の意識と行動の変化を調査した。A町では、この10か月を通じて、モデルに含まれている要素である【ヘルスプロモーションの理念の理解】や【協働の促進】が進んでいた。さらに、このことが、計画評価の視点の深まりと、新たな計画立案の方向性の明確につながっていた。 今後、A町において新たな健康増進計画の推進過程も継続して調査することにより、さらなるモデルの検証と発展を行う予定である。
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