研究概要 |
本研究では,BPSDが出現時と非出現時を比較し,BPSDの程度と「つながり感」の関連を調査する.さらに,いつ・誰と・何と・どこで・どのような「つながり感」を感じているかを明らかにし,評価項目を作成して調査を行い,評価と修正を行う.現行,既存の高齢者医療介護福祉サービスで「つながり感」を持てるサービスが行われているかを調査し,さらに「つながり感」の持てる看護介入と高齢者医療・介護・福祉サービスの提案を行う.本研究は2年間で行い,その過程をフェーズ1~5に分けて行う.本年はフェーズ1~2を行った.まず,先行研究で明らかにした研究結果をもとに,「つながり感」があると判断できる反応,ないと判断できる反応から参加観察のためのチェックリストを作成した.チェックリストは老人看護や認知症ケアに精通する研究者からスーパーバイズを受けながら行った.また,対象者のケアを行っている医療スタッフにも意見を聞きながら行った.以前に行ったデータ分析を再度見直し,データが不足していると考えられたため,データ収集と分析を行い,チェックリストの洗練化を行った.また,認知症に関する研究論文や著書,学術集会などに参加し,最近の動向について情報を得た.本研究ではBPSD評価尺度を信頼性と妥当性や,心理症状と行動症状を合わせて検討している点から,日本語版Behave-ADを使用している.しかし, BPSDの評価尺度に関しては,体系と特性にはばらつきがあるといわれているため,引き続き本研究に用いる評価尺度として検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度行う予定であったフェーズ1,2は概ね達成されている.先行研究で明らかにした研究結果をもとに,「つながり感」があると判断できる反応,ないと判断できる反応から参加観察のためのチェックリストを作成した.チェックリストは老人看護や認知症ケアに精通する研究者からスーパーバイズを受けながら行った.また,対象者のケアを行っている医療スタッフにも意見を聞きながら行った.以前に行ったデータ分析を再度見直しと,フェーズ2であるチェックリストを用いたプレテストによって,データが不足していると考えられたため,データ収集と分析を行い,チェックリストの洗練化を行った.そのため,完成したチェックリストではプレテストを行っていないので本年度行う.また,認知症に関する研究論文や著書,学術集会などに参加し,最近の動向について情報を得た.本研究ではBPSD評価尺度を信頼性と妥当性や,心理症状と行動症状を合わせて検討している点から,日本語版Behave-ADを使用している.しかし, BPSDの評価尺度に関しては,体系と特性にはばらつきがあるといわれているため,引き続き本研究に用いる評価尺度として検討している.
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今後の研究の推進方策 |
現在,概ね研究計画通りに進行しているため,本年度はフェーズ3から5を行う予定である.まず,昨年度から継続してデータ収集を行い,データ収集と分析を並行して行いチェックリストを作成する.スーパーバイズを受けながら,評価と修正を繰り返し,信頼性を向上する.また,BPSDの評価尺度に関しても 本研究にあったものであるか検討を続ける.チェックリストを用いて,どのようなケアを受けているときに「つながり感」を感じているか,参加観察を行う.また,並行してスーパーバイズを受けながら分析を進める.チェックリストを用いてのデータ収集は,汎用性を確認するために,施設を変えたり病棟を変えるなどデータの偏りを防ぐ工夫を行う.先行研究や既存の認知症に関するケアに関するケアに文献検討や著書と本研究を比較しながら「つながり感」の持てる看護介入と高齢者医療・介護・福祉サービスの提案を行う.得られた結果は学会や雑誌に報告し,希望があれば調査受け入れ施設やご家族に公表する.
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