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2012 年度 実施状況報告書

過疎地域と都市の情報通信技術を活用した高齢者見守りネットワークに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23792752
研究機関甲南女子大学

研究代表者

上村 聡子  甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (70454725)

キーワード老年看護学
研究概要

今年度の研究計画は次の通りである。1.大豊町におけるICTを活用した高齢者の生活支援に関する継続調査、2.都市部におけるICTを活用した高齢者の生活支援に関する調査、3.両者の比較
1.大豊町では、見守りネットワーク事業として、①GPS機能付き携帯電話・固定通話装置による高齢者が緊急要請をできるシステム、②行政連絡放送を行う告知端末とIP電話を活用した安否確認・声かけサービスが平成21年から導入されている。導入から3年が経過し、加入者状況には大きな変化は見られない。活用状況は、①に関しては、高齢者は機器に慣れ携帯電話を持ち歩く姿が見られる。畑仕事をする高齢者にとっては、携帯電話は何かあった時のお守りのような存在である。多くは、離れて暮らす子どもからの連絡に使用しており、基本料金を超えることはまれだ。メール機能を活用できる高齢者は、調査した限りでは見られない。新しい取り組みとして、「大豊宅配サービス」が平成24年11月から開始された。電話またはFAXで取扱店(8店)に注文をしたものを、宅配業者が届けるシステムだ。このサービスによる高齢者の暮らしの変化について、調査を行う予定。
2.神戸市灘区の高台には、独居高齢者、高齢者二人世帯が多い集合住宅がある。高齢者の買い物や通院など、日々の生活支援に関する課題が多い地域であるが、行政が整えたICTを活用する高齢者は非常に少ないようだ。平成25年度調査を行う予定とする。
3.平成25年度に都市部の調査を行うため、現段階での比較は難しい。大豊町ではサービスが少ないためか、住民はサービス内容を把握し、それぞれの生活スタイルにあわせて活用している。高齢者のニーズ調査からサービスを導入していうることも、活用促進につながっている。一方で、都市部はサービスが溢れており、高齢者自身がサービスを把握して選択するところには至っていないようだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度の都市部調査に、やや遅れが出ている。灘区の閑静な住宅街を対照群として選定し調査を進めていたが、大豊町と比較を行うに当たり、生活条件をなるべく同じにするため、神戸市灘区の高台にある地区に変更をした。
大豊町は広範囲なため、その特徴を出すためには場所を選定する必要性があった。そこで、大豊町の中でも中心地から離れたA地区を選定し調査を勧めた経緯がある。神戸市灘区の調査を進める中で、高齢者のくらす集合住宅では、コミュニティーの形成が難しく、高齢者の生活を支援することがこんなんであるという情報を得た。そこで、都市部のフィールドを神戸市灘区B地域に変更し、調査を進めることとしたため、都市部調査に遅れが出ている状況である。
それに伴い、神戸市と大豊町の比較についても遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、1.大豊町におけるICTを活用した高齢者の生活支援に関する継続調査、2.都市部におけるICTを活用した高齢者の生活支援に関する調査、3.両者の比較に関して、次のように進めていく。
1.大豊町では、宅配サービス活用の現状と、高齢者の暮らしの変化について調査を行う。対象は地域居住高齢者および、取扱店とし、インタビュー調査を行う。ICTによる支援と、ICTと人との組み合わせによる支援、人と人とのつながりの3点から、大豊町の高齢者における支援体制について調査・考察を進める。
2.平成25年度は都市部の調査を中心に研究を進めていく。現在、研究協力者を中心に、B地区に居住する高齢者へのインタビュー調査および、民生委員等の活動参加の調整中である。
3.比較をするにあたり、他地域への視察を行いその示唆を得ることとする。過疎地域と都市部を予定している。過疎地域としては、兵庫県多可郡を検討中である。都市部としては、神戸市灘区と同様の大都市周辺の地域を検討している。

次年度の研究費の使用計画

本年度も申請時の研究費使用計画に基づき、使用する。
高知県大豊町においては、宅配サービスの活用について、高齢者ならびに取り扱い加盟店へのインタビュー調査を計画している。交通の便が悪く、1回の訪問でインタビューできるのは1名、あるいは2名が限度である。老人クラブへの参加も活用するが、集団インタビューで、生活の細やかな部分を知り得ることには限界がある。そのため、複数回大豊町を訪問する必要性があり、交通費の使用が予定額よりも増加する可能性がある。
また、他地域への視察のために研究費を使用する予定にしている。対象地域は、兵庫県多可郡である。過疎の進む町の1つであるが、昨年より地域医療に取り組んでいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 過疎地域における高齢者の暮らしに関する研究~医師・保健師の視点から2012

    • 著者名/発表者名
      上村聡子
    • 学会等名
      第53回日本社会医学会総会
    • 発表場所
      関西大学高槻ミューズキャンパス
    • 年月日
      20120716-20120716

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公開日: 2014-07-24  

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