研究課題/領域番号 |
23792754
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
山下 裕紀 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (40326319)
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キーワード | 交感 / 脳卒中失語症患者 |
研究概要 |
○平成24年度に実施した具体的内容 ①選定した論文を精読、②各論文の研究目的、研究データ(内容、収集方法)、研究成果を要約、③研究成果から対人関係に関連すると捉えられる記述(実践知)を選択、 ④上記の記述が表している現象から、各論文に共通する要素を比較検討、⑤要素間の関係を検討、⑥要素間の関係を図示して枠組みを明示した。①看護分野以外で最近5年間に掲載された「交感」に関する文献で、「交感」に関するキーワード(意識、間主観性、クオリアなど)と「脳卒中失語症」に関するキーワードで導かれる研究の文献検討により、「交感」の構成要素を導き、②看護系雑誌に最近5年間掲載された原著論文で、看護実践に関する質的研究の文献検討により、「交感」の看護援助の理論的枠組みを導いた。 ○意義・重要性 上記過程は、「交感」の要素として、「看護援助の発展内容」「患者のアウトカム」「交感」のありようを分析し、抽出する基盤となり、看護分野でまだ明確に区別されていない「交感」の概念や現象を明らかにすることにつながる。あわせて、①「共感」などの類似概念との相違点を明らかにすること、②日常に内在するケアと専門家ではない個々のつながりに内在するケアとの多重構造を明らかにすること、③このような多重構造に内在するケアのプロセスの探究と患者への影響を明らかにすること、④「交感」の看護援助体系の構築を導き、⑤看護の本質であるケアとは何かについての探究につながる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属の異動に伴い、研究計画審査の諸手続き・倫理審査・フィールド開拓に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
1-1)脳卒中失語症患者とそのケアにあたる看護師のケア場面を参加観察し、「交感」に着目した場面記述をする。 1-2)枠組みの作成:①場面記述を精読、②エピソードの解釈、③各場面に共通する要素を比較検討、④要素間の関係を検討、⑤要素間の関係を図示した枠組みの明示、⑥発展内容の分抽出、⑦患者と看護師とにおけるアウトカムの分析抽出をし、「交感」の看護援助に関する枠組みを作成する。 2-1)研究者が脳卒中失語症患者へのケアに携わり、「交感」に着目した場面記述をする。 2-2)枠組みの洗練::①場面記述を精読、②エピソードの解釈、③各場面に共通する要素を比較検討、④要素間の関係を検討、⑤要素間の関係を図示した枠組みの明示、⑥発展内容の分抽出、⑦患者と研究者とにおけるアウトカムの分析抽出をし、「交感」の看護援助に関する枠組みを洗練する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究実施にあたり、主に研究者が所属する関西国際大学を拠点とし、千葉大学の専門家から研究指導を得ながら進めるため、またデータ収集のため医療施設に出向くため、主に旅費に使用する。
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