研究課題/領域番号 |
23792759
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
鈴木 智子 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (60518067)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | QOL / ストレス |
研究概要 |
近年、在宅人工呼吸器の普及に伴い、筋ジストロフィー患者の平均寿命は30歳代(青年期)と飛躍的に伸び、その療養の場がかつての施設から在宅中心へと変化している。しかし、症状は進行していくため日常生活自立困難となり、患者や家族は在宅生活を希望しながらも筋症状や呼吸状態の悪化により人工呼吸器を使用する高度医療的ケアを受けるため入院を余儀なくされる状況がある。そこで、人工呼吸器を使用する患者のQOL向上を重要な課題としている。平成23年度は、主に人工呼吸器を使用する患者のQOL向上について資料や文献調査、関連研究の把握を行った。また、実施したこととして、入院と在宅それぞれの療養環境の違いにおける筋ジストロフィー患者のQOL評価としてShort Form 36 Health Survey v.1.2(SF-36)を用いた健康関連QOL調査と唾液中コルチゾール濃度を精神的ストレスの指標としているため、唾液の採取を実施した。精神的ストレスが加わると血液中コルチゾール濃度が上昇し、それに随伴し唾液中コルチゾール濃度も上昇することが報告されている。今回、侵襲を加えることなく短時間で容易に採取できるため、唾液中コルチゾール濃度を測定し、精神的ストレスの客観的指標とした。病院で療養する筋ジストロフィー患者14名と在宅療養中の患者各8名に対して、生活パターンと健康関連QOLについての質問紙調査(SF-36)実施と通常の生活を行う日に唾液を採取(起床時、起床後30分後、起床後45分後、起床後60分後の1日4回)した。事前に担当者が訪問して方法の説明を行い、医師の許可のもとで調査実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、入院、在宅の療養環境の違いにおける筋ジストロフィー患児のQOLと精神的ストレスの実態を明らかにすることであった。計画内容の実施としての達成はできているようだが、分析までできておらず、実態の把握とまでいかない結果であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、病院で療養する筋ジストロフィー患者14名と在宅療養中の患者各8名に対して、生活パターンと健康関連QOLについての質問紙調査(SF-36)実施と通常の生活を行う日に唾液を採取(起床時、起床後30分後、起床後45分後、起床後60分後の1日4回)した。これらのデータ分析を行い、同時にコントロール群からも調査するとともに、QOLに影響する要因を探ることとする。これらのデータから知見を得ることとし、より精神的に健康な在宅療養生活維持を可能とする看護の方法を探ることである。看護方法のあり方に関して、関係者との助言をいただき、より対象者のニーズに応じ、現場での実践可能な方法ができるようにすることが課題である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.昨年度に引き続き、国内外の文献調査を行うための調査費用に使用する。2.今後得られたサンプルの分析に必要な人件費と物品費に使用する。3.研究で得られた知見を発表する際に関連した費用と学会参加費用、旅費等に使用する。
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