研究課題/領域番号 |
23792760
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
原賀 美紀(三宮美紀) 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (70325728)
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キーワード | 集団健診 / 実施場面 / 産業保健師 / 行動 |
研究概要 |
本研究は、事業所に所属する保健師(以下、産業保健師とする)の優れた実践例を素材に、産業保健師への面接および質問紙調査、参加観察調査、事業所が実施する健康診査(以下、健診とする)に関わる人々への調査より、集団健診実施場面において、産業保健師が従事することの重要性・価値を実証する。そしてさらに、労働という場の特徴を踏まえた産業保健師の役割を検討し、健診実施場面での産業保健師の活動指針と活動評価指標を作成することを目的としている。 平成24年度は前年度に引き続き、報告書や先行研究、産業看護学の教科書等の資料を収集し、集団健診もしくは健診場面における産業保健師の活動に関する内容を整理したが、健診実施場面に言及した記述はされていなかった。健診事業として、企画から事後指導に至るプロセスと保健師の活動内容や果たす役割については多くの記載がみられた。特に、事後指導における保健師活動については、多くの教科書等で記述がされており、健診後の活動に焦点が当てられていることが確認できた。 そのため、過去に集団健診場面において産業保健師としての活動経験のある者に、情報提供をしてもらいながら、また市町村保健師の場合の研究成果とを合わせ、調査計画を作成中である。 また、健診受診者である労働者からみた産業保健師活動の意義を検討するため、健診での、また日頃からの保健師との関わりについて話を聞き、その結果を整理・分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献や資料収集に時間を費やしたこと、対象選定が難航したことなどにより、調査の実施と分析が充分にできていない。
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今後の研究の推進方策 |
産業保健師への調査計画を完成させ、調査を実施すること。そして労働者への調査から得られたデータの分析を行うこと。それらの調査結果を合わせ、産業保健師が集団健診実施場面において従事することの重要性・価値を構造的に明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
文献や資料収集と調査対象者の選定が難航し、実際の調査が充分に行えておらず、調査実施とデータ整理に係る旅費や人件費等を使用していないため、繰越額が生じている。次年度は下記計画に則り、調査を実施する予定である。 【産業保健師への調査】5~10名程度の産業保健師に対する面接調査と参加観察による調査を実施する。 【労働者への調査】対象者数をさらに増やし、調査を実施する。 【文献収集と分析】調査と並行して、文献収集範囲を拡大しつつ、既存の資料の整理と分析を進める。
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