研究課題/領域番号 |
23792763
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
上野 里絵 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20598677)
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キーワード | フィンランド版ブックレット / 日本語版の開発 |
研究概要 |
フィンランドの児童精神科医・教授であるSolantaus先生が作成した精神疾患を有する親の子どもへの支援に向けた、2冊のブックレットの日本語版を作成した。 このブックレットの日本語版の作成手順として、まず研究代表者が2冊のブックレット(英語)の翻訳を全て行った。その後、児童精神科医、子どものメンタルヘルスを専門とする臨床心理士より、研究代表者が行った日本語訳が、原文の意味を損なわず、かつ日本文化や精神医療の実情を鑑みた翻訳であるかどうかについての確認や校閲を受けた。加えて各専門的観点からの助言を受けた。例えば、児童精神科医からは、精神医学に関する用語について、臨床心理士からは、親と子どもが読みやすい日本語訳についての確認などである。さらに、フィンランドセンターの学術研究マネージャーから、本研究内容と関係するフィンランドの文化、教育、医療の実情等、広範囲で多岐にわたる高度な知識提供を受けた。フィンランドセンタースタッフとのディスカッションを通して、日本の文化や実状に合わせた内容に一部変更をすることができた。 すべてのプロセスにおいて、研究代表者はSolantaus先生に報告を行い、変更については許可を得て行った。 前述の翻訳プロセスを終えたのち、原本の作成に関わったグラフィックデザイナーによるレイアウトが行われた。グラフィックデザイナーと研究代表者は、複数回にわたり、メールでやりとりを重ねた。レイアウトは、概ね原本と同じであるが、日本語のボリュームや、文章の流れなどが考慮されながら行われた。 このような手順にて、2冊のブックレットの日本語版の作成が適切に、丁寧に行われ完成に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
精神疾患を有する親の子どもを支援するためのブックレット日本語版作成にあたり、児童精神科医、臨床心理士、フィンランドセンターのスタッフと複数回にわたるディスカッションが、数か月にわたり行われた。またレイアウトは、コピーライトの関係から、原本の作成に関わったフィンランド人のグラフィックデザイナーによる作業であった。そのため、文節や単語の区切りを含め、研究代表者がかなり細やかな指示と確認、校閲などを複数回にわたり行う必要があり、レイアウトの作業のみで数か月を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後やるべき研究の方向性は明確になっているため、研究活動のエフォートを60%に保ちながら、引き続き研究活動に専念する。
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次年度の研究費の使用計画 |
日本語版作成にあたり、想定していた進度より遅れが生じたためである。具体的な理由として児童精神科医、臨床心理士、フィンランドセンターのスタッフと複数回にわたるディスカッションが、数か月にわたり行われたためである。またレイアウトは、コピーライトの関係から、原本の作成に関わったフィンランド人のグラフィックデザイナーによる作業であった。そのため、文節や単語の区切りを含め、研究代表者がかなり細やかな指示と確認、校閲などを複数回にわたり行う必要があり、レイアウトの作業のみで数か月を要したためである。 日本語版作成と並行して、調査の準備に着手するにあたり、本学科での研究倫理審査が大学側の理由により、11月まで受けることができなかった。このような理由により次年度に使用額が生じた。 日本語版の作成を行った2冊のブックレットの日本における実用可能性と活用可能性の検討として、まず病院等へ質問紙を用いた調査を実施する。本調査にかかる研究費として、ブックレットの印刷や製本、郵送費などである。次に、ブックレットを活用した実際の支援方法を病院等で検討・開発するにかかる研究費として、研究代表者の出張費、研究協力への謝礼などである。
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