平成26度フィンランドの児童精神科医Solantaus先生が作成した精神疾患を有する親の子どもを支援するための2冊(親用・子ども用)のブックレットの日本語版を作成した。 この日本語版の日本での活用法を検討するため、関東地方にある精神科病院、関東地方にある精神保健福祉センター、東京都にある保健所、市町村保健センター、東京都にある子ども家庭支援センター、東京都にある児童相談所、全国精神保健福祉連合会に所属している都道府県連合会のうち関東地方にある連合会の計213施設を対象にアンケート調査を実施した。 結果、80%の回答者が親用と子ども用のブックレットは必要であると回答した。また、職場でのブックレットの活用意向やその理由などについて、現場の実態とともに意向の把握もでき、課題や改善についての示唆を得た。活用方法についても、支援者の学習教材として、面接などでの話題提供、外来に置いて自由に読めるようにするなど、実践的で有用な回答を得た。 また、上記施設に対して、精神疾患を有する親・子どもへの支援に関する各施設の取り組みや実態についてのアンケート調査を実施した。結果、精神疾患を有する親の子ども(以下、子ども)への支援について、回答者全員が「必要である」と回答していたことより、子どもへの支援に対する支援者の認識の高さが改めて明らかになった。さらに80%の施設が、精神疾患を有する親(以下、親)から子どもに関する相談を受けたことがあるとする回答の一方、「子どもに行っている支援はない」理由の中で、マンパワーの不足、具体的な支援方法がわからないといった回答がみれたことより、実態とともに今後の課題が示唆された。
|