研究概要 |
日本人の糖尿病患者は,明らかに性質が異なると分類される1型糖尿病患者と2型糖尿病患者の欧米の糖尿病患者と比べ,連続性を持っているということは周知の事実であり,そのことに基づいた検討を行った.その際,以前から取り組んできた時系列の特徴であるフラクタル成分の性質をより正確に表すことのできるDFA(detrended fluctuation analysis)法を用いて得ることが可能な"血糖ゆらぎ"を表す指標と,従来から臨床現場で用いられている指標(HbAlc,グリコアルブミン,1,5-AG,尿中CPR)の関係について,ようやく雑誌にアクセプトされたところである.またヒューマン・カロリメーターを用いた実験として取り組んできた夕食を就寝直前に摂取することによる健常者の睡眠時エネルギー代謝,また1日の総エネルギー消費量に与える影響についての検討結果についても雑誌にアクセプトされたところである.またそれ以外の研究についても,フィールド及び実験室レベルでの長距離走行中の血糖変動とレースパフォーマンスに関する検討,さらに血糖上昇閾値に関する検討結果について,具体的な形となって現われた年となった. 健常者を対象に日常生活の中で身体活動(non-exercise acticity thermogenesis)を制限することにより,血糖ゆらぎに変化が認められるという結果が得られており,現在雑誌に投稿中である.食事誘発性熱産生(diet-induced thermogenesis)についても加速度計を用いることで詳細な算出方法が可能となり,さらに両者を組み合わせることで一日の安静時代謝の変動も算出することが可能となったことから,それらのデータをまとめ投稿論文を作成中である. さらに睡眠時エネルギー代謝の詳細な解析を進めるにあたり,客観的な脳波の解析を行う手法および環境については今年度に整えることができた.
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