研究概要 |
平成24 年度は、表示色が限定された限定色画像に用いられる色、すなわち、インデックスカラーに着目し、視覚情報に基づいた表示色数によるアクセス制御手法について検討した。限定色画像の表示色数に基づくアクセス制御を実現するため、無作為にソートされた各インデックスカラーの並べ替えを行う。インデックスカラーはRGB表色系で表されており、例えば、インデックスが0 番目のインデックスカラーC0は、C0=(R0, G0, B0)と表される。以降は、8 ビットカラーの場合を例に説明する。まず、並べ替え後のインデックスカラーC'0を、C'0=min(256×256×Rx+256×Gx+Bx)となるインデックスカラーCxに設定する。次に、C'1をC'0に最も近いインデックスカラーに設定する。ここで、近似色の算出にはユークリッド距離を用いる。この手順をインデックスカラーC'255が設定されるまで繰り返す。以上により、近似色が隣接するインデックスカラーの並べ替えが可能となった。上述のソート手法を用いて表示色数を制御することで、平成23 年度に構築したアクセス制御手法の特長を保持したまま、表示色数に基づいたカラー品質に対するアクセス制御を実現した。さらに、本ソート手法を用いて、限定色画像に対する著作権保護のための情報埋込技術に対する応用を行った。この結果、従来手法と比較して、提案手法の埋込画像のPSNR値の向上が確認された。平成23 年度の研究成果について3 件の国際会議発表(うち、1 件は平成25 年5 月に発表予定)、平成24 年度の研究成果について2 件の国内学会発表、2 件の国際会議発表(うち、1 件は投稿中)を行った。また、日本印刷学会誌に総説を寄稿した。今後、本研究の成果を集約し、海外ジャーナルへの投稿を行う予定である。
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