本研究では、乳酸が運動による骨格筋ミトコンドリア増殖のシグナル因子となるのか明らかにすることを目的とし、研究を行った。まず、マウスへの運動前のジクロロ酢酸摂取が、運動中の体内の乳酸濃度を低下させることを確認した。そのDCA摂取を用いて、マウスに乳酸濃度の低い運動を継続して行うトレーニングを4週間行わせた結果、同じ強度でも乳酸濃度の低い運動トレーニングを行った群では、通常のトレーニングによって引き起こされるミトコンドリアの増加が抑制されることが明らかとなった。このことは、乳酸がミトコンドリア増殖のシグナル因子になりうる可能性を示唆するものである。
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