In vitroでの抗原特異的CTLのメモリータイプ分化におけるSTAP2の機能解析 CD8陽性メモリーT細胞のin vitro分化系を用い、分化時におけるSTAP2の機能解析を行った。9m抗原特異的TCRを発現したTCRトランスジェニックマウス(DUC18マウス)より脾臓細胞を回収し、その培養の際に、STAP2 siRNAを電気穿孔法にて導入した。その後、siRNAを導入したDUC18由来培養CD8陽性T細胞を生体内に移入し、メモリーCTL分化におけるSTAP2の関与について検討した。その結果、陰性対象siRNA導入群と比較し、STAP2 siRNA導入群において生体内におけるメモリーCTLの機能が消失していることが明らかとなった。本結果は、STAP2がメモリーCD8陽性T細胞の分化機構に機能的に関与していることを示唆する重要な所見である。 In vivoでのメモリー抗原特異的CTLにおけるSTAP2の発現検討 これまでに明らかにされていない、in vivoにおけるSTAP2の詳細な発現様式を明らかにした。DNAワクチンを投与したマウスに誘導される抗原特異的CTLをリンパ節もしくは脾臓より回収し、STAP2の発現解析を行った。この時、回収する抗原特異的CTLはIL-7R陽性もしくは陰性細胞群で分離回収する事で、in vivoにおけるメモリーCTL分画とSTAP2発現の相関を検討した。その結果、In vitro同様、In vivoにおいてもメモリーCTL(IL-7R陽性細胞群)でSTAP2が高発現している事を見出した。以上より、In vitroのみでなくIn vivoにおいてもSTAP2がメモリーCD8陽性T細胞の形成に関与している可能性が示された。
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