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2012 年度 実績報告書

レドックス感受性イオンチャネルの生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 23800035
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 重成  京都大学, 先端医工学研究ユニット, 助教 (70604635)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワードTRPチャネル / 低酸素 / 高酸素 / レドックス
研究概要

生物個体は様々な環境変化に感応し適応することにより生存できる。生体の感応・適応においては、Transient Receptor Potential (TRP)タンパク質群が形成する陽イオン透過型チャネルが重要な役割を担う。申請者らは酸化ストレスを感知し、細胞内シグナルや遺伝子発現を調節するTRPチャネル群をこれまで明らかにしてきた。また近年、TRPA1チャネルが高酸素および低酸素によって活性化することを見出した。本研究では酸素によるTRPA1活性化の生体内における意義について明らかにした。
当該年度は高酸素および低酸素ガスを吸入させた際の上喉頭神経、迷走神経、舌咽神経活動の計測を行い、Trpa1 ノックアウトマウスでは高酸素ガスと低酸素ガスに伴う迷走神経活動が野生型マウスに比べて有意に減少することを見出した。また、動脈血酸素濃度を計測したところ、Trpa1 ノックアウトマウスでは高酸素ガスと低酸素ガスに伴う動脈血酸素濃度が野生型マウスに比べて有意に減少することも見出した。つまり、Trpa1 ノックアウトマウスでは体内に取り込む酸素供給量の調節が損なわれていることが示された。本現象を更に裏付けるため、高酸素障害、低酸素障害の評価を行ったところ、Trpa1 ノックアウトマウスでは高酸素障害である急性肺障害、低酸素障害である肺高血圧症が顕著に憎悪化していた。
以上のように、TRPA1は迷走神経にて外界の酸素濃度変化を感知し、体内に取り込む酸素供給量を調節していることが示された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] TRP channels as sensors of oxygen availability.2013

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Numata
    • 雑誌名

      Pflugers Arch

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TRP channels: sensors and transducers of gasotransmitter signals.2012

    • 著者名/発表者名
      Nobuaki Takahashi
    • 雑誌名

      Front. Physiol.

      巻: 3 ページ: 324

    • DOI

      doi: 10.3389/fphys.2012.00324

    • 査読あり
  • [学会発表] TRPC5チャネル複合体によるCa2+動員およびNO産生の時空間制御2013

    • 著者名/発表者名
      高橋重成
    • 学会等名
      第90回日本生理学会大会
    • 発表場所
      東京都江戸川区
    • 年月日
      20130328-20130328
  • [学会発表] TRPA1 senses oxygen availability in vagus2013

    • 著者名/発表者名
      Nobuaki Takahashi
    • 学会等名
      57th Annual meeting of Biophysics Society
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      20130202-20130206
  • [学会発表] TRPC5チャネル複合体によるCa2+動員およびNO産生の制御2012

    • 著者名/発表者名
      高橋重成
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20121215-20121216
  • [学会発表] TRPチャネルによる新たな生体内酸素感受機構2012

    • 著者名/発表者名
      高橋重成
    • 学会等名
      岐阜薬科大学大学院薬学研究科特別講義
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      20120528-20120528
    • 招待講演
  • [図書] 新たな酸素センサー/チャネルによる低酸素応答制御2012

    • 著者名/発表者名
      植田誉志史
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      血管医学
  • [図書] TRPA1チャネルを介した酸素・活性酸素種センシング2012

    • 著者名/発表者名
      植田誉志史
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      実験医学
  • [図書] TRPA1チャネルによる酸素感受性2012

    • 著者名/発表者名
      高橋重成
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      医学のあゆみ
  • [図書] TRPチャネルを介する新しい酸素センシング機構2012

    • 著者名/発表者名
      高橋重成
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      実験医学

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公開日: 2014-07-24  

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