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2011 年度 実績報告書

マイクロRNA情報ネットワークに基づく癌幹細胞の包括的制御

研究課題

研究課題/領域番号 23800039
研究機関大阪大学

研究代表者

原口 直紹  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (30528609)

キーワード癌幹細胞 / マイクロRNA / エクソゾーム / 骨髄 / 情報ネットワーク
研究概要

研究目的: 従来、癌幹細胞を標的化することにより癌の根治が可能であると考えられてきた。しかし、癌幹細胞が生み出す細胞学的多様性、癌幹細胞への再移行現象、癌幹細胞自身の特性と周囲環境が絡み合って形成された治療抵抗性メカニズムを考慮すると、一過的な癌幹細胞を標的とした治療法では癌の根治は難しいと考えられる。
意義と重要性:癌幹細胞が産生する分泌型microRNAを介した情報ネットワークに注目し、その機能とターゲットを明らかにすることは、癌幹細胞を中心とした癌社会の維持に必須となっている情報伝達経路を解明することにつながり、さらにその制御を行うことにより癌幹細胞を中心とした社会構築を破綻させるという、革新的な癌幹細胞包括的治療法の開発につながると考えられる。
研究成果: 肝臓癌において、網羅的マイクロRNA解析を行い、癌幹細胞が血管新生とヒストンの脱メチル化を行う特徴的なマイクロRNAを発現していることを同定した。現在、泌型マイクロRNAのデーターベースとの複合的解析を行っている。
一方、大腸癌において、従来報告されている大腸癌幹細胞マーカーであるALDHに代わる新規癌幹細胞マーカーを同定した。この細胞集団では、非癌幹細胞と比べると特徴的な代謝機序が働いることが明らかとなった。さらに、この機構を制御する遺伝子およびマイクロRNAを同定した。さらに、これらの因子が周囲環境の代謝機構を変化させる可能性について見出し、解析を進めている。爆

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肝臓癌におけるマイクロRNAの網羅的解析より、癌幹細胞が血管新生とピストンの脱メチル化を行う特徴的なマイクロRNAを発現していることを同定した。現在、分泌型マイクロRNAのデータベースと組み合わせることにより、情報伝達をつかさどるマイクロRNA群の同定と、その標的遺伝子、機能について検索を行っている。

今後の研究の推進方策

肝臓癌の臨床検体はマウスに生着させるのが困難であり、解析が細胞株だけでの検討になることが危惧される。そこで、大腸癌を標的に、新規の癌幹細胞マーカーを同定し、この遺伝子発現データとマイクロRNAデータを取得した。大腸癌の場合は、臨床検体からの解析、マウス生着も可能であり、標的分子を用いたマウス治療モデルの確率も可能である。そこで、確実な研究推進と革新性を追求すべく、研究提案した癌腫を大腸癌に置き換えた検討も行っている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Combination use of anti-CD133 antibody and SSA lectin can effectively enrich cells with high tumorigenicity2011

    • 著者名/発表者名
      Moriwaki K, Okudo K, Haraguchi N, Takeishi S, Sawaki H, Narimatsu H, Tanemura M, Ishii H, Mori M, Miyoshi E
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 102 ページ: 1164-70

    • DOI

      10.1111/j.1349-7006.2011.01923.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Absence of CD71 transferrin receptor characterizes human gastric adenosquamous carcinoma stem cells2011

    • 著者名/発表者名
      Ohkuma M., Haraguchi N., Ishii H., Mimori K., Tanaka F., Kim HM., Shimomura M., Hirose H., Yanaga K., Mori M.
    • 雑誌名

      Ann Surg.Oncol

      巻: (Epub)

    • DOI

      10.1245/s10434-011-1739-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cancer stem cell theory in gastrointestinal malignancies : recent progress and challenges2011

    • 著者名/発表者名
      Dyah Laksmi Dewi.Ishii H., Kano Y., Nishikawa S., Haraguchi N., Sakai D., Satoh T., Doki Y., Mori M.
    • 雑誌名

      J Gastroenterol

      巻: 24 ページ: 1145-1157

    • DOI

      10.1007/s00535-011-0442-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reprogramming of gastrointestinal cancer2011

    • 著者名/発表者名
      Dyah LD.Ishii H., Haraguchi N., Nishikawa S., Kano Y., Fukusumi T., Ohta K., Miyazaki S., Ozaki M., Sakai D., Satoh T., Nagano H., Doki Y., Mori M.
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 103 ページ: 1349-7006

    • DOI

      10.1111/j.1349-7006.2011.02184.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased CD13 Expression Reduces Reactive Oxygen Species, Promoting Survival of Liver Cancer Stem Cells via an Epithelial-Mesenchymal Transition-like Phenomenon2011

    • 著者名/発表者名
      Kim HM.Haraguchi N., Ishii H., Ohkuma M., Okano M., Mimori K., Eguchi H., Yamamoto H., Nagano H., Sekimoto M., Doki Y., Mori M.
    • 雑誌名

      Ann Sure Oncol

      巻: (Epub)

    • DOI

      10.1245/s10434-011-2040-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reprogramming of Mouse and Human Cells to Pluripotency Using Mature MicroRNAs2011

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi N.Ishii H., Nagano H., Haraguchi N., Dyah LD., Kano Y., Nishikawa S., Tanemura H., Mimori K., Tanaka F, Saito T., Nishimura J., Takemasa I., Mizushima T., Ikeda M., Yamamoto H., Sekimoto M., Doki Y., Mori M.
    • 雑誌名

      Cell Stem Cell

      巻: 8 ページ: 633-638

    • DOI

      10.1016/j.stem.2011.05.001

    • 査読あり
  • [学会発表] 肝臓癌幹細胞の分離・同定と治療標的化へ向けた検討2011

    • 著者名/発表者名
      原口直紹, 石井秀始, 永野浩昭, 土岐祐一郎, 森正樹
    • 学会等名
      第21回日本サイトメトリー学会学術集会
    • 発表場所
      京都市国際交流会館
    • 年月日
      2011-06-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/gesurg/study/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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