研究課題/領域番号 |
23800046
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松下 正輝 熊本大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30615935)
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キーワード | 認知症 / 介護負担 / Sense of Coherence / ストレス |
研究概要 |
本研究では、認知症介護者の介護負担に関わる要因を明らかにし、介護者の支援方法を開発することを目的として、認知症介護者のSense of Coherence(SOC:把握可能感、処理可能感、有意味感から構成されており、ストレス状況への耐性を表すと考えられている概念)と精神的健康度、介護負担感との関係を調査し、認知症介護者におけるSOCの意義を明らかにすることを試みる。 平成23年度は、地域における認知症患者とその家族に対して調査を行うために、地方中核都市の65歳以上の住民の中から無作為抽出による1000人にMMSE、臨床的認知症尺度検査(CDR)、Zarit介護負担尺度を用いて調査を行った。現在、調査予定の対象者のうちおよそ40%が調査済みであり、平成24年度も調査を継続していく。また、平成24年度は大学病院外来において認知症の重症度と介護者の負担感とSense of Coherenceについて調査を行う。 現在、回収が終了しているデータに関してデータ分析を行ったところ、介護負担感とSense of coherenceにおいて弱い相関が見られた。今年度得られたデータは、地域で自立して生活している方が対象であるため、Mild Cognitive Impairmentの程度の認知症重症度の方が多く、重症度が非常に軽度であった。そのため、今後、大学病院外来において、認知症重症度の高い方を調査対象者に含めることで、現在の結果より明確な関連性が確認できるものと思われる。さらに調査結果をもとに、認知家族に対して疾患教育と心理療法を行い認知症介護負担度や精神症状などが改善するかどうか検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査を開始しており、当初計画した予定に沿って、研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在実施している調査の継続を継続するとともに、新たに病院外来においてより認知症重症度の高い患者の家族に対して調査を開始する。また、心理面接を希望する患者家族に対して調査結果を踏まえて介入を行う予定である。
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