本研究では、認知症介護者の介護負担感に関わる要因を解明し、 介護負担感とストレス対処能力の関係を検討することを目的とした。 対象は地域在住の 65 歳以上の高齢者 1000 名を対象とした地域疫学調査において、 同意を得られた高齢者 511 名と聞き取り調査を実施できた家族、または介護者に 271 名である。その結果、認知症の有病率は 9.2%であった。また、認知症の介護負担感には被介護者の年齢、認知機能障害の重症度、介護者の内的なストレス対処能力が関係していることが明らかになった。本研究の結果から、介護者のストレス対処能力を強化することで介護負担感を軽減できる可能性が示唆された。
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