研究課題/領域番号 |
23800048
|
研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
竹内 弥彦 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (80609917)
|
キーワード | 脊柱形態 / 脊柱可動域 / 高齢者 / ステッピング反応 / 身体動揺 / 関節モーメント |
研究概要 |
本研究は、高齢者の転倒防止に重要な姿勢調節機能である後方へのステッピング反応時の力学的要因と脊柱形態・可動域の加齢変化との関連性を明らかにすることを目的に実験を進めている。 本年度(H23年度)は被験者として、高齢者13名、若年者8名に協力いただき、脊柱計測分析機を用いて、頸椎・胸椎・腰椎の形態および可動域を計測した。加えて、三次元動作解析装置と床反力計を用いて、外乱刺激時の後方へのステッピング時の身体動揺特性および下肢関節の関節モーメントを計測した。 後方ステップ反応時のステップ脚着地時に焦点をあて、身体合成と胸郭・骨盤部の重心動揺特性と下肢荷重関節が発揮するモーメントについて解析した。結果、ステップ着地時の身体重心動揺は年代間での差異は認めなかった。関節モーメントの結果では、足関節底屈モーメントにおいて、若年群に比較して高齢群で有意に低値を示した。さらに、ステップ着地時の身体動揺特性と関節モーメントの相関分析の結果、高齢群では身体重心の側方動揺と足関節底屈・外がえしモーメントの間に有意な負の相関関係を認めた。 来年度(H24年度)は、脊柱形態・可動域についての分析を進め、上記のステップ反応時の身体動揺特性や関節モーメントとの関連性についての解析を行う。 これらの結果から、脊柱形態・可動域とステップ反応時の身体動揺・関節モーメントの特性の加齢変化、さらに高齢者におけるこれらパラメータの関連性が明らかになることで、加齢による脊柱機能の低下が転倒予防に重要なステップ反応に及ぼす影響についての知見を得ることができる。加えて、これらの知見により、高齢者の転倒予防プログラムとしての脊柱変形予防体操や下肢筋力トレーニングをより科学的根拠に基づいたものとすることができると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
補助金交付開始の10月から、高齢被験者の方に積極的なご協力をいただき、当初の予定よりもデータ収集および解析が進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は追加実験を実施するとともに、これまで収集したデータの解析を進める。得られた知見から、高齢者の脊椎形態・可動域とステップ反応時の特性との関連性について、学術大会や論文投稿などで研究成果を公表していく。
|