ドイツにおけるPISA以降の教育改革(主に教育スタンダード)とESDの展開という二つの文脈を視野に入れながら、教育の質的向上とESDとがクロスするところに位置する人間-環境システムの重要性を明らかにした(「教員養成スタンダードと学会版教員養成ガイドラインからみた現代ドイツにおける地理教員像」)。ドイツの地理教育においては伝統的な人間と自然の関係性についての考え方が、1950年代以降のドイツ地理教育界において、人間-空間相互関係から人間-環境システムへと変容する過程を書誌学的に明らかにしつつ、それが現代の地理教育スタンダードにおいては地理学的専門コンピテンシーの中核に位置づけられていることを明らかにした(ドイツの地理教育における「システム」論-人間-空間相互関係から人間-環境システムへ-)。こうした能力を育むためにドイツの高等教育機関が行っている地理学専門教育およびESD教員養成について明らかにした(「持続可能性」へと向うドイツの大学の地理学と地理教育)。以上の研究成果に基づき、東京とベルリンを学習対象とし、「人間-環境システム」を用いたESD教材開発を行った。
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