研究課題/領域番号 |
23800077
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
小島 康 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (30464217)
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キーワード | 核膜孔複合体 / 核ラミナ / Wnt / 大腸癌 |
研究概要 |
大腸癌の進展に伴って核膜孔複合体の構成成分であるNup88と核ラミナの構成成分であるLaminAの発現上昇が認められ、それらは予後不良マーカーとなることが報告されている。しかしながら、大腸癌進展において、Nup88とLaminAが果たす役割は未解明である。本研究計画は、Nup88とLaminAの腸管腫瘍形成における役割を検討する。大腸癌細胞株と遺伝子改変マウスを用いて以下の3点を明らかにすることを目標とする。(1)核膜孔複合体、特にNup88のWntシクナル及び腸管腫瘍形成における役割、(2)核膜ラミナ、特にLaminAがWntシグナル及び腸管腫瘍形成における役割、(3)核膜複合体と核ラミナの細胞増殖や核形態変化における役割。 平成23年度は、各種実験材料の準備調製、および実験室を鋭意整備した。大腸癌細胞株を9種類、研究室で購入し、今後の研究実施に必要な継代数の少ない凍結ストックを必要量、調製した。またWntシグナルアッセイレポーターを細胞に導入可能か組換えレンチウイルスを作製し、大腸がん細胞株と非大腸癌細胞株を1種類樹立した。非大腸癌細胞株に関しては、より鋭敏なアッセイを行う目的でクローニングを開始した。マウスに関しては、Apc変異マウスやApc/Smad4複合変異マウスの繁殖を進め、比較的大きな繁殖コロニーを整備し、順調実験に必要なマウスを供給する体制を確立した。またApc変異マウスやApc/Smad4複合変異マウスの腺腫および腺がんの初代培養の実験系も確立した。LGR5-EGFPマウスは、現在繁殖中で平成24年度4月末より本格的に繁殖を開始する予定である。現在のところ実験に必要な材料は順調に準備されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験材料の調達準備は順調であったが、新規研究室の整備に若干の遅滞があったため研究計画に若干の遅れが認められる。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に研究室の整備もほぼ完了したので平成24年度は、研究計画に則って研究を実施する予定である。
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