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2012 年度 実績報告書

共時的・通時的視点に基づくサーキットブレーカー制度の分析と設計

研究課題

研究課題/領域番号 23810010
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

小林 重人  北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教 (20610059)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワードサーキットブレーカー / 制度設計 / 株式市場 / 知識処理機構 / ミクロ・メゾ・マクロ・ループ / 貨幣意識
研究概要

本研究は,株式市場の安定化を図る制度であるサーキットブレーカー(以下,CB)制度の効果的な設定条件と運用について,「運用による効果の違い」「制度変化の制約条件」「価値意識の制度形成への影響」の3つを明らかにするものである.取引所へのインタビューと制度変遷の調査から,経済主体と取引所は各々の知識処理機構が有する価値規範を出力の評価による強化学習によって変化させることで,状況適応的なルールを産出していることがわかった.また,経済主体と取引所はルールの担い手,作り手という階層の違う主体同士ながら,動的な相互規定関係を形成することで,互いに産出した判断をそれぞれの知識処理機構において入力として利用している.つまり,取引所は経済状況を鑑みて取引所単独でCB制度を変更しているわけではなく,経済主体の判断が取引所の判断に影響を与え,取引所の判断が経済主体の判断に影響を与えるというループを形成することで知識を作り出していることを示した.
人々の価値意識が現実的な制度形成をどのように制約しているのかを調べるために,国内の18歳以上1000名を対象として貨幣に対する価値意識(貨幣意識)の調査を実施した.結果から,法定通貨とは異なる通貨制度(地域通貨)が流通している地域では,地域通貨が流通していない地域に比べて貨幣の多様性意識が高い傾向にあるが,地域通貨が効果的に循環していない地域では,貨幣の多様性意識が全体の平均よりも低い傾向にあった.また地域通貨によって社会変化を感じている人たちは社会変化を感じなかった人たちよりも多様性意識が高いことから,制度形成と人々の価値意識には強い相関があることが示された.
これらの事実から,市場制度の理解として経済主体・取引所・市場制度の3者の相互作用によって各主体の価値意識に基づいた判断が動的に産出されることで市場システム全体が維持されていることを明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 知識処理機構としての市場制度-サーキットブレーカー制度を例として-2012

    • 著者名/発表者名
      小林重人
    • 雑誌名

      知識共創

      巻: 2 ページ: 1-7

  • [雑誌論文] Circulation Mechanism of Community Currency in Hilly and Mountainous Area: An Agent-based Simulation Study2012

    • 著者名/発表者名
      Shigeto Kobayashi
    • 雑誌名

      Proceedings of The 8th Conference of the European Social Simulation Association

      巻: 8 ページ: 169-174

    • 査読あり
  • [学会発表] Circulation Mechanism of Community Currency in Hilly and Mountainous Area: An Agent-based Simulation Study2012

    • 著者名/発表者名
      Shigeto Kobayashi, Yusuke Takahashi and Takashi Hashimoto
    • 学会等名
      The 8th Conference of the European Social Simulation Association
    • 発表場所
      University of Salzburg, Austria
    • 年月日
      20120910-20120914
  • [学会発表] 制度生態系と進化主義的制度設計-理論モデルと貨幣意識調査-

    • 著者名/発表者名
      橋本敬,小林重人,西部忠
    • 学会等名
      公開ワークショップ 「制度生態系アプローチによる経済政策論の展開」
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
  • [図書] 第5章6節「更別村公益通貨「サラリ」アンケート調査による「貨幣意識」の分析」『地域通貨を活用したコミュニティ・ドックによる地域社会の活性化』2012

    • 著者名/発表者名
      小林重人
    • 総ページ数
      130-135
    • 出版者
      全労済協会
  • [図書] 第6章「ブラジル・フォルタレザのパルマス」『地域通貨を活用したコミュニティ・ドックによる地域社会の活性化』2012

    • 著者名/発表者名
      小林重人,西部忠,橋本敬
    • 総ページ数
      138-149
    • 出版者
      全労済協会
  • [備考] S. Kobayashi's Homepage

    • URL

      http://www.jaist.ac.jp/~s-kobaya/cgi-bin/wiki.cgi

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公開日: 2014-07-24  

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