生物圏から年間数百テラグラムという膨大な量が放出されているテルペンはその反応性の高さから容易に大気エアロゾルを生成し、また大気の HOx 濃度に重要な影響を与えている。筆者はこれまでにない気液界面反応測定装置を用いて気体のテルペンがどのように酸性表面に吸着・変質するかを調べた。その結果、これらのテルペンは pH4 以下の水の表面に吸着し、気液境界相でオリゴマー化することが明らかになった。この気液境界相における不均一反応が気体テルペンの未知のシンクになっていることが、初めて実験的に明らかになった。
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