研究課題/領域番号 |
23810028
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
桃井 治郎 中部大学, 全学共通教育部, 講師 (40410667)
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キーワード | 欧州近隣政策 / 欧州・地中海パートナーシップ / アルジェリア / チュニジア / マルタ / 地中海圏 / リージョナリズム |
研究概要 |
本研究は、アルジェリア及びチュニジアに対するEUの近隣政策に着目し、非対称な政治アクター間における地域協力・国際関係について考察することを目的としている。今年度は、関連文献調査を進めるとともに、現地での聞き取り調査を行った。今年度の調査概要は以下の通り。 第一に、本邦にて欧州近隣政策及び欧州・地中海パートナーシップに関する資料を収集・調査した。「非対称地域協力」に関する理論的研究については、引き続き関連文献調査を進め、整理を行っているところである。 第二に、アルジェリア及びチュニジアの最近の政治経済状況や今後の見通しについて、現地にて聞き取り調査を行った。特に、2011年1月に「ジャスミン革命」があったチュニジアでは、政変後の経済状況について関係機関から聞き取り調査を行い、加えて革命のきっかけとなった中部シディブジドや南部の地方都市を回り、革命後の社会経済状況の変化について調査した。なお、現地調査の成果の一部は、中部大学紀要等にて発表予定である。 第三に、アルジェリアおよびチュニジア経済との比較の視点から、2004年にEUに加盟したマルタ共和国の経済開発の状況について関連文献調査および現地調査を行った。特に、チュニジアとマルタの1990年以降の経済開発や対EU経済関係を調査することで、EUに加盟して内部からEU諸国と経済関係を強化するマルタと、関税自由化を進めて外部からEU諸国と経済関係を強化するチュニジアとを比較し、「非対称地域協力」の特質の一端を明らかにすることを目指している。上記の比較経済研究については調査内容を整理し、成果をまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連文献調査を進めるとともに、短期間ではあったが現地調査を行った。また、研究の過程でチュニジァとマルタとの比較の視点が有効であると考え、同調査研究も並行して行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書にあるとおり、アルジェリアおよびチュニジアに対する欧州近隣政策についての事例研究を引き続き進め、その上で、「非対称地域協力」に関する理論的検討を行う。
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