本研究には2つの柱がある。(1)大老・堀田正俊の政治思想研究。(2)「御家」の思想と民政思想の研究である。研究成果は以下のとおりである。(1)に関して、一橋大学附属図書館所蔵の堀田家文書のうち、朝鮮通信使に関する史料を使い『日韓相互認識』(第5号、2012)に論文「天和度朝鮮通信使と大老・堀田正俊の「筆談唱和」」を発表し、東アジアにおける近世日本の儒学、領主思想の一端を明らかにした。(2)に関しては、昨年10 月に群馬県在住の秋山景山の子孫・秋山綽家の原文書を悉皆調査し、その史料をもとに、『書物・出版と社会変容』(第12 号、2012) に「越後長岡藩儒・秋山景山の『教育談』について」を発表し、近世武士教育のあり方を考察した。
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