研究課題/領域番号 |
23820006
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
三宅 正浩 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30612303)
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キーワード | 大名家 / 徳川政権 / 徳川家光 / 徳川家綱 / 松平直政 |
研究概要 |
大名家の視点から徳川政権による大名編成秩序を政治史的に解明するという本研究の課題にもとづき、本年度は、主として関係する大名家史料の所在確認作業及び収集を行った。 幕府関係の基本刊行史料や盛岡藩・広島藩他の刊行史料を購入すると共に、東京大学史料編纂所や岡山大学附属図書館において史料調査を行い、関係史料を閲覧・撮影した。その際、形成過程に注目して大名編成秩序を考察するという本研究の課題に応じ、特に近世前期の家光政権期~家綱政権期を対象として史料収集を行った。 さらに、自治体史編纂事業(松江市史)と連携させつつ研究を進めた松江藩主松平直政書状の分析(毛利家文庫)から、近世前期の西国における松平直政の政治的役割を考察し、論文「松平直政論」として発表した。これは、松平直政が毛利家や浅野家などの周辺大名の参勤交代時期を調整していたことや、毛利家の後見役的立場を有して幕府関係を中心に毛利家に助言を与えていた事実を提示・紹介し、松平直政が西国において幕藩領主間の安定化に寄与する役割を果たしていたことを明らかにしたものである。 なお、予定していた福島地域を中心とした東北地方の大名に関する史料収集・分析については、史料の所在確認・内容確認を一部実施したが、当初の予想以上に時間と労力がかかることが想定されたため、本研究ではこれまでの研究代表者の研究蓄積を生かしつつ研究を推進することができる西国の大名家研究を優先することにした。東国、特に東北の大名家研究については今後の課題とすることにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東北地方の大名家を対象とした史料収集・分析を中止し、西国の大名家中心に研究を進めることに軌道修正したため、当初予定していた西国と東国の比較については十分になし得なくなったが、西国の大名家を軸として大名編成の展開を段階的に理解することが可能となる史料を収集できたので、次年度に、おおむね研究の目的を達成できる見通しを得た。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」欄に記載したように、研究の目的を効率的に達成するため、予定していた東北地方の大名家研究を中止し、西国の大名家研究に研究時間・労力を集中することにする。具体的には、徳島藩蜂須賀家を事例とした個別分析と、家光政権・家綱政権・綱吉政権の大名編成の段階差を提示することを目指す。そのためには、より多くの史料を収集して分析する必要があり、今後の研究の基礎とする意味でも、史料収集活動を中心に研究を進める。
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