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2011 年度 実績報告書

ヴィクトール・バッシュ研究-ドイツ哲学の受容に努める同時代の思想的環境にてらして

研究課題

研究課題/領域番号 23820009
研究機関東京大学

研究代表者

村上 龍  東京大学, 人文社会系研究科, 教務補佐員 (80613885)

キーワード美学 / 哲学 / 思想史
研究概要

本研究課題は、フランスの美学者ヴィクトール・バッシュ(一八六三-一九四四年)が、カントをはじめとするドイツ近代哲学、美学をどのように受容し、そのうえでいかにして自身の思想を育てたのかを、ひろく同時代のフランスの思想的環境にみとめられるドイツ哲学、美学の受容の努力をふまえつつあらためて検討することによって、バッシュの思想を立体的に把握しなおし、もって従来顧みられることのすくなかった彼の美学的思想に、そしてひいては、現在でも研究がすすんでいるとは言いがたい一九世紀末から二〇世紀前半にかけての時期のフランス美学に、あらたな光を投げかけるとともに、いまだ解明されざる部分のおおい近代哲学、美学上の独仏関係の一端を明らかにすることを目指すものである。この目的にさいして、初年度にあたる平成二三年度には、冬にパリへの出張もはさみつつ、バッシュにかんする文献資料を収集、調査し、彼の思索のありようを、アンリ・ベルクソン(一八五九-一九四一年)など、バッシュと同時代に活躍した、やはりドイツ近代哲学との対話をへて思索をふかめたとみられる哲学者たちのそれと比較検討するとともに、世紀転換期にとくに盛りあがりを見せた「心霊現象研究」など、当該時期のフランスの思想的環境にかんする調査をあわせてすすめた。
平成二三年度には、得られた成果のうち、バッシュに直接かかわるものは公表できなかったが、ベルクソンにかんするものについては、第六二回美学会全国大会における口頭発表ならびに著作として、また、「心霊現象研究」にかんするものについては、国士舘大学哲学会シンポジウム「ヨーロッパ的理性の境界へ」における提題ならびに『国士舘哲学』第一六号掲載の論文として、それぞれ公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題の目的にかなう一定の成果をあげることができ、かつその一部を学会発表、学術論文、著作のかたちで公表できたため。

今後の研究の推進方策

平成二三年度に研究課題の目的にかなう一定の成果をあげることができ、かつその一部を学会発表、学術論文、著作のかたちで公表できた点に鑑み、平成二四年度もひきつづき同様の仕方で調査をすすめてゆくことが有効であると考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ヨーロッパ的理性はいかにして越境するか--世紀転換期の「心霊現象研究」の事例にそくして--2012

    • 著者名/発表者名
      村上龍
    • 雑誌名

      国士舘哲学

      巻: 16号 ページ: 38-46

  • [学会発表] ヨーロッパ的理性はいかにして越境するか-世紀転換期の「心霊現象研究」の事例にそくして-2011

    • 著者名/発表者名
      村上龍
    • 学会等名
      国士舘哲学会
    • 発表場所
      国士舘大学(東京都世田谷区)
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] 「感性(sensibilite)」をめぐるベルクソンの思想とその成立の経緯-一なるものと多なるものとの関係を軸に-2011

    • 著者名/発表者名
      村上龍
    • 学会等名
      美学会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県仙台)
    • 年月日
      2011-10-17
  • [図書] 「感性(sensibilite)」をめぐるベルクソンの思想とその成立の経緯についての研究-一なるものと多なるものとの関係を軸に-2011

    • 著者名/発表者名
      村上龍
    • 総ページ数
      170
    • 出版者
      コンテンツワークス

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公開日: 2013-06-26  

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