研究課題
本研究の実績は以下の通りである。(1)インド仏教:原典を参照した上で、インド仏教中観派の二諦説の展開過程を整理していく。ナーガールジュナ(ca. 150-250)をはじめとする初期中観派、バーヴィヴェーカ(ca. 500-570)をはじめとする中期中観派、シャーンタラクシタ(ca. 725-788)をはじめとする後期中観派とに大きく区分して、それぞれの特徴を把握した。(2)チベット仏教:原典を精読した上で、チベット仏教宗義文献における、二諦説の展開過程を整理した。後期伝播期の最初期に活躍したニンマ派のロンソム・チューキサンポ(ca. 11 cen.)から、中期に活躍しゲルク派の祖となった宗教改革者ツォンカパ(1357-1419)、また、19世紀の無宗派折衷運動の中心人物であるコントゥル・ロドゥータイェー(1813-1900)など、各時代の主要学僧たちの説を整理した。(3)ボン教:昨年度に拙著The Two Truths in Bon (Kathmandu: Vajra Publications, 2011)の第1章第3節、および、第2章~第5章にて、複数のボン教徒の説を紹介・分析したが、現在確認できる最古の論書であるメトゥン・シェーラプウーセル(1058-1132 or 1118-1192)著『ボン教二諦分別論』の校訂テキストおよび和訳の作成を完成させた。以上のように、インド仏教、チベット仏教、ボン教の二真実思想の流れを把捉することができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Circulaire de la Société Franco-Japonaise des Etudes Orientals
巻: Vol. 34-36 ページ: pp. 15-20
Buddhism Without Borders: Proceedings of the International Conference on Globalized Buddhism,Bumthang, Bhutan May 21-23, 2012
巻: 1 ページ: pp. 36-52