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2012 年度 実績報告書

近代ドイツにおけるベートーヴェン作品の解釈と演奏の系譜:後期ピアノ・ソナタを例に

研究課題

研究課題/領域番号 23820035
研究機関九州大学

研究代表者

西田 紘子  九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (30545108)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード音楽学 / 音楽史 / 音楽理論 / 音楽美学 / 音楽分析 / 作品解釈 / 演奏
研究概要

本研究は、難解とされてきたベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタに関する19世紀以降のさまざまな解釈をとり上げ、作品解釈と、指づかいやフレージングといった演奏実践との関係を明らかにした。先行研究において「楽譜」中心主義、「原典」至上主義として位置づけられてきたハインリヒ・シェンカーによる後期ピアノ・ソナタ解釈と演奏指南を批判的に読み直すことで、当該テーマに関するこれまでの枠組みを再文脈化し、19世紀の「実用版」楽譜の立場も新たに歴史化した。本研究では、出版当時は需要があったものの現代日本では入手することのできないエディションや、手紙等の一次資料を数多く扱い、シェンカーの時代の言説に沿って丹念に内容をたどりつつ、当時の価値観を分析した。この作業のために、ドイツ・オーストリアを中心に資料調査を行い、19世紀の中古楽譜を収集して回った。収集した楽譜資料は、詳細に読み解き、翻訳や研究作業の基礎素材とし、研究の実証性を高めた。また、19世紀から20世紀初頭にかけて出版されたベートーヴェンのピアノ・ソナタのさまざまなエディションをとり上げて、その異同を明らかにした。エディション間にみられる類似や相違が、校訂者の思想的背景とどのように関連づけられるのか、あるいは関連づけられないのかを明らかにし、作品解釈史や演奏史の歴史化を試みた。一方で、作品解釈の特徴と校訂実践との関係を探るために、シェンカーや周辺の音楽家がピアノ・ソナタやその他のジャンルの作品をどのような価値観のもとに解釈していたかについて、主として物語論の概念を応用して分析した。以上の研究成果について、国内外で口頭発表をおこなって今後の研究活動のためのネットワークを構築すると同時に、学術雑誌に論文を投稿し、成果を公的に発信した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Narrativity in Heinrich Schenker's Interpretations in Musical Works2012

    • 著者名/発表者名
      NISHIDA Hiroko
    • 雑誌名

      Journal of Schenkerian Studies

      巻: 6 ページ: 67-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Heinrich Schenker's 'Intramusical' Hermeneutics: A Comparison of Hermeneutics of Hermann Kretzschmar and Wilhelm Dilthey2012

    • 著者名/発表者名
      NISHIDA Hiroko
    • 雑誌名

      Aethetics

      巻: 16 ページ: 53-65

    • 査読あり
  • [学会発表] ハインリヒ・シェンカーによる運指法の特徴--『ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ批判校訂版』を例に2012

    • 著者名/発表者名
      西田紘子
    • 学会等名
      日本音楽学会第63回全国大会
    • 発表場所
      西本願寺聞法会館
    • 年月日
      20121124-20121125
  • [図書] ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番op.110批判校訂版--分析・演奏・文献2013

    • 著者名/発表者名
      ハインリヒ・シェンカー
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      音楽之友社
  • [図書] ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番op.109批判校訂版--分析・演奏・文献2012

    • 著者名/発表者名
      ハインリヒ・シェンカー
    • 総ページ数
      165
    • 出版者
      音楽之友社

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公開日: 2014-07-24  

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