研究課題/領域番号 |
23820041
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研究機関 | 公立大学法人神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
松永 京子 公立大学法人神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50612529)
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キーワード | 英米文学 / アメリカ文学 |
研究概要 |
1.アメリカでの調査・資料収集 作家ジェラルド・ヴィゼナーについての調査を行うため、ヴィゼナー(アニシナベ族、ホワイト・アース居留地出身)の出身地であるミネソタ州を訪問し、ミネソタ大学で北米先住民文学関連資料を収集した。また、オハイオ州にあるウィルミントン大学に設置されているPeace Resource Centerを訪問し、原爆関連資料を調査した。これらは、ヴィゼナーやサイモン・J・オーティーズの作品における核にまつわる表象を研究するのに重要であった。 2.長崎での調査・資料収集 韓水山の『軍艦島』に描かれる長崎の韓国人被爆者の状況を調査するため、第二次世界大戦時の資料を数多く展示し、長崎市民によって運営されている長崎平和資料館を訪問し、特に原爆と植民地主義の関係について調査した。また小説の舞台となっている長崎の端島を訪問した。これらの調査は、韓国人被爆者とポストコロニアリズムの関係性を研究する基盤となった。 3.国立国会図書館(東京)での調査・資料収集 長崎での調査後、国会図書館にて、韓国人被爆者に関する資料を調査・入手した。 4.発表・論文執筆 上記で得た情報や資料に基づき、ASLE-US学会、エコクリティシズム研究会、原爆文学研究会などで発表を行った。そのうちの一部は論文として書き直し、2012年度に学会誌や図書などに掲載される予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカや長崎での調査は、計画していたよりも順調に進み、大きな収穫を得た。一方で、ヴィゼナーやオーティーズといった作家へのインタヴュー計画に関しては、まだあまり進んでおらず、次年度に持ち越すこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
1.国立国会図書館、広島平和記念資料館、広島大学図書館等で引き続き調査を行うにあたって、特に広島平和資料館では、同館のピース・ボランティアの協力を得て情報を得たり、在韓韓国人被爆者の証言を記録・保存したテープの貸し出しを利用したりしながら情報収集を行う 2.韓水山の作品における韓国人被爆者と植民地問題を研究するため、広島、長崎での調査をもとに韓国を訪問する 3.昨年度に引き続き、ミネソタ大学図書館等で北米先住民作家に関する資料を調査・収集する 4.インタヴューを実現させるために、インタヴューを予定している作家と連絡を密に取り、細かなスケジュールを組む 5.昨年度学会等で発表しているものを論文として書き直すと同時に、本年度の調査結果を学会等で発表する
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