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2012 年度 実績報告書

近代言語学の概念形成~エミール・バンヴェニストの草稿研究

研究課題

研究課題/領域番号 23820048
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小野 文  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00418948)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワードバンヴェニスト / 草稿資料
研究概要

本年度は二度にわたり、エミール・バンヴェニストの草稿資料と蔵書の資料調査を行い、また調査結果を分析して二本の論文を発表することができた。
最初の調査ではフランスでバンヴェニストの「冒涜語と婉曲語」論文の草稿資料を調査収集し、分析した。草稿資料のほとんどはパリ国立図書館草稿部門の東洋セクションに散在しているが、この論文の草稿だけは欠如した部分もあるものの、まとまった形で保存されており、分析に適した資料であった。「冒涜語と婉曲語」の発表された完成原稿は非常に短いものであるが、草稿資料には大量のメモが残されており、特に中世の文学作品からの冒涜語の引用、聖書からの引用、精神分析に関する引用メモが多く見受けられた。2回目の調査ではスイスのベルン大学言語学図書館でバンヴェニストの蔵書のインデックスカードをほぼ全て複写した。インデックスカードは電子化されていない状態で保存されており、紙媒体のカードを写真に撮る作業を行った。
2本の論文では主に草稿資料の分析を行った。バンヴェニストは『インド=ヨーロッパ諸制度語彙集』のなかで「(意味するというより)存在するものとしての言葉」について言及しているが、「冒涜語と婉曲語」論文の草稿では特にその言葉の「存在」に光があてられていることを論考では強調した。また「冒涜語と婉曲語」研究が、言語学の枠を超え、宗教学や文学、精神分析という広い範囲をカバーしていることに注目し、そこからバンヴェニストの構想していた人間学が垣間見られることを指摘した。今後、バンヴェニストの蔵書カードを詳しく調べ、特に文学作品、哲学作品の蔵書を調査することで、バンヴェニストの言語思想の源泉を探っていきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] "Le nom c'est l'etre" les notes preparatoires d'Emile Benveniste a l'article "La blasphemie et l'euphemie"2012

    • 著者名/発表者名
      ONO Aya
    • 雑誌名

      Genesis

      巻: 35 ページ: 77-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] エミール・バンヴェニストの草稿資料2012

    • 著者名/発表者名
      小野 文
    • 雑誌名

      『思想』

      巻: 1061 ページ: 87-110

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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