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2012 年度 実績報告書

近代北欧文学における「脚部障碍」の表象―セルマ・ラーゲルレーヴを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 23820050
研究機関東京理科大学

研究代表者

中丸 禎子  東京理科大学, 理学部, 講師 (50609287)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード国際情報交換 / スウェーデン / 北欧 / ドイツ / 文学
研究概要

「脚部障碍者」の一例としての「人魚」に着目し、アンデルセン『人魚姫』および「人魚」モチーフに着目した研究を行った。
2012年度前半は、美しい声で船乗りを魅了し遭難させる水辺の魔物(ギリシア神話のセイレーン、ドイツのローレライ、スラブのルサルカ)、人間の男性との結婚によって魂を得る異類婚(ヨーロッパのウンディーネ、メリュジーヌ)、悲恋の表象としての鱗・蛇体(鬼女)など、『人魚姫』と関連付けられる、東西のさまざまな神話・伝説・作品を考察した。その成果は、中丸禎子「人魚姫のメタモルフォーゼ」(石井正己編『子守唄と民話』所収、三弥井書店、2013年3月)として刊行された。
後半は、デンマークおよびアンデルセン研究が盛んなドイツで資料を収集し、『人魚姫』のテクスト分析的解釈を行った。その成果は、中丸禎子「越境する人魚」(北ヨーロッパ学会全国大会、2012年11月)で発表した。また、中丸禎子「アンデルセン『人魚姫』における脚部障碍の表象」(日本独文学会春季研究発表会、2013年5月)で発表が確定している。
『人魚姫』は、従来、①デンマーク文学、②作家の伝記的研究、もしくは、③ドイツ・ロマン主義の人魚モチーフ文学研究の枠組みで研究されてきた。本研究は、『人魚姫』を、①②を超えて、ヨーロッパの人魚モチーフ文学史の枠組みでとらえなおし、「脚部障碍」に着目して分析することで、③に収斂されないアンデルセン文学の特殊性を論じた。この結果、世界中で読まれ、他の作品との影響関係の強い『人魚姫』と、その他者排除のあり方について、新たな解釈を示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 森鴎外の転換とラーゲルレーヴ受容―「牧師」、スウェーデン語原文、およびドイツ語訳の比較

    • 著者名/発表者名
      中丸禎子
    • 学会等名
      日本比較文学会東京大会
    • 発表場所
      日本大学文理学部
  • [学会発表] 越境する人魚―ハンス・クリスチャン・アンデルセン『人魚姫』と『アウネーテと人魚』

    • 著者名/発表者名
      中丸禎子
    • 学会等名
      北ヨーロッパ学会全国大会
    • 発表場所
      明治学院大学
  • [学会発表] アンデルセン『人魚姫』における脚部障碍の表象―フケー『ウンディーネ』との比較

    • 著者名/発表者名
      中丸禎子
    • 学会等名
      日本独文学会春季研究発表会
    • 発表場所
      東京外国語大学
  • [図書] 子守唄と民話2013

    • 著者名/発表者名
      石井正己
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      三弥井書店
  • [備考] 北欧文学・ドイツ文学 中丸禎子のページ

    • URL

      http://www7b.biglobe.ne.jp/nakamaru_teiko/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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