本研究は、日露戦後から大正期にかけて、議会周辺で展開された若者を担い手とする政治運動(「院外青年」運動)を、超党派的=世代的連帯への志向性など若者独自の政治文化に着目しつつ明らかにしようとしたものである。 具体的には、本研究を(1)<基幹的研究>と(2)<発展的研究>とに大別し、(1)では、(1)中心的活動家の一次史料調査と(2)「院外青年」運動出身者の成年(代議士)時代の活動を分析した。また(2)では、(1)「院外青年」運動を受けて展開された地域青年党運動と、(2)同時代の国外(植民地を含む)における青年政治運動に関する基礎的調査を行った。 以上により、「院外青年」時代の運動と代議士時代との活動とをシームレスに把握しつつ、さらにその知見を<地域>や<帝国>といった発展的視座に接続するための材料を確保することができた。
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